「闇の公子」タニス・リー

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闇の公子・アズュラーンと地底の都・ドルーヒム・ヴァナーシュタ、そして地上の人間たちの物語。青味を帯びた黒髪と魔力に富んだ瞳を持つ美しく、すらりとした長身のアズュラーンが、気まぐれに人間の世界に出向いては蒔く災いの数々が描かれていきます。
これは「平たい地球シリーズ」の1作目なのだそう。私にとっては、初タニス・リー作品。いやもう凄いですね、これは。読み始めて最初に浮かんだ言葉は「耽美」「絢爛」。凄まじいまでに妖しく美しいです。しかもこの訳文がなんて素晴らしい!なんとも格調高い日本語で、読んでいてこんな風に心地いい感覚は久しぶりかも...。もちろんアズュラーンはあくまでも「妖魔」なので、人間側からすれば相当酷いことも平気で行われるし、しかも何も救いがないまま流れていったりするんですけどね。幸せな恋人たちは引き裂かれるし、憎しみや欲望は際限なくかきたてられていくし、アズュラーンを裏切った人間には恐ろしい仕打ちが待っているし。でもそのアズュラーンの邪悪さすら美しいんですよ。これが凄い。
1つの小さな物語が次の物語に繋がり、それがさらにまた次の物語へと... というオムニバス形式もいいし、しかも最後には大きな1つの世界を見せてくれるという構成も私好み。屈折してはいるけれど、確かな愛情を感じることができるラストも良かったなあ...。「千夜一夜物語」を意識して書かれたらしいのですが、それも納得の大人のためのお伽話、大人のためのファンタジーでした。エロティシズムも美しい。なんとも夜の闇が似合います。これはぜひとも他の作品も読んでみなくては~。と、大絶賛。(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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