「最後の願い」光原百合

Catégories: /

 [amazon]
新しく自分の劇団を立ち上げようとしている度会恭平と、その度会恭平に、「この人しかいない」と思わせた風見爽馬。"劇団φ"のための納得のいくメンバーを探すために、2人は日々走りまわることに...。

全部で7章から成っている作品。そのうちのいくつかの章は、ジャーロに連載されていた時にも読んでいたんですが、今回最初から通して読んでみると、その時の印象とはまた全然違っていたのでびっくり。ジャーロで読んでいた時は、それぞれに独立した1つの短編のように読んでたんですけど、全体を通して読むと、これは連作短編集というよりもむしろ、1つの長編だったんですね! で、1つの章に1つずつ謎が含まれていて、度会さんと風見さんがその謎に関わり合っていくんですが、でも謎解きをするというよりも、むしろ彼らが関わった人間1人1人の心のしこりやわだかまりを解きほぐしていっているような感じ。単に「謎」というよりも、もっと深いものを感じました。そして最初の6章のそれぞれの物語が少しずつ他の章と重なって1つの世界を作り上げていき、最後の「...そして、開幕」にそれぞれの思いが流れ込み、昇華されていくような印象。
いやー、本当に良かったです。光原さんの作品はどれも好きで、新しい作品を読むたびに「この作品が一番好き!」と思ってしまうんですけど、またしても「一番」の作品が!(笑) 最後まで読んで、また最初に戻ったり、今度は途中のところ読んでみたり、ずーっと余韻を楽しんでましたもん。(出先で読んでいたので、特に最後の章を読んだ時は涙腺が緩んでしまってすごーく困ったのですが...) 一瞬で印象をまるで変えてしまう度会さんもとても魅力的だし(特に、うかつに触ったら手が切れそうな時の度会さんが堪らないっ)、度会さんと風見さんのコンビも楽しいし、この2人にスカウトされたシロちゃんこと吉井志朗さんも、またいい味出してるし...! 彼の「シロちゃんと呼ばんでくださいっ」を聞くたびに和んじゃいます。でもでも、やっぱり私は風見さんが一番好きだーっ...! ジャーロで読んでた時も惚れ込んでたんですが、またしても惚れ直してしまいました。やっぱりあの目はポイントですね...っ >光原先生
ああっ、彼が主演を演じたという例の舞台、観てみたいっ。あ、もちろん劇団φの旗揚げ公演も見てみたいです。これは果たしてどんな話なんでしょう。想像(妄想?)がふくらみます。これからの劇団φがどうなっていくのかも、とっても楽しみ。...その時は、「Oさん」も登場するのかな? あ、しないのかな?(笑)(光文社)


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

 
ただ、1つ良く分からなかったんですけど... 舞台監督の飯村さんは最後の章で初登場だったんでしょうか? それまでにも登場していて、私が単に名前を読み落としたとか... だったらイヤん(^^;。
あと、「最後の願い」という題名に関しては、読み終わった時点では最終章の彼女のことだと思ったんですけど、時間が経つうちにあっちの彼女やこっちの彼女... も当てはまるような気がしてきちゃいました。ええと、これはどうなのでしょう...?


これに関しては、以下のお答えを頂きました。光原先生、ありがとうございます。m(__)m

舞台監督の飯村は、最後の作品が初登場なんです。わりと味のあるキャラクターなんで、もっと早くから出してもよかったんですが、舞台監督は劇団に所属というよりは舞台公演期間中のみの請負、という場合が多いようなので、ああいう形になりました。
「最後の願い」は、特定の誰かというより、やや漠然としていますが、この本に登場する様々な人物にあてはまる・・・と考えていただければと。第3話の偏屈画家なんかもそうですね。

| | commentaire(13) | trackback(7)

Trackbacks(7)

「最後の願い」光原百合 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

最後の願い光原百合著出版社 光文社発売日 2005.02価格  ¥ 1,890(¥ 1,800)ISBN  4334924522bk1で詳しく見る ... » Lire la suite

最後の願い光原百合著出版社 光文社発売日 2005.02価格  ¥ 1,890(¥ 1,800)ISBN  4334924522新しく劇団を作ろうとしている... » Lire la suite

最後の願い 久しぶりの光原さん、嬉しいですね?? 新しく劇団を立ち上げるため、一緒にやっていく仲間を集めている度会恭平。彼は自分がこれぞと思えるメンバー... » Lire la suite

BACK STAGE 浅井貴仁 新しく劇団を作ろうとしている度会恭平。 劇団の名は劇団φ(ファイ)。 納得するメンバーを集めるため、日々人材を探し回る。 ... » Lire la suite

 度会恭平は劇団φを立ち上げようとしていた。そのための人材(役者・作家・制作・舞台美術等)を見いだす過程での小さな謎や事件、それに絡む心のしこりを、度会や風見爽... » Lire la suite

最後の願い 7章からなる連作短編集。 新しく劇団Φ(ファイ)を立ち上げようとしている度会恭平と風見は人材を求め探しまわる。 1章ごとに脚本家など裏方な... » Lire la suite

最後の願い発売元: 光文社価格: ¥ 1,890発売日: 2005/02/23売上ランキング: 81,410posted with Socialtunes at... » Lire la suite

Commentaires(13)

「夏の名残の薔薇」にTBありがとうございます。
またお邪魔しにきたら、この記事を見つけて嬉しくなりました。
光原さん、私も大好きなんです。どの作品も心に染みますよね。
この本刊行されたの知らなかったのですが、是非読みたいと思います~~♪

わあ、EKKOさんも光原さんがお好きなんですね!
この作品もすごーく良かったですよ。
大好きな作品がまた1つ増えました♪
読まれた時は、掲示板の方に一言残していただけると
光原先生も見て下さってると思いますので~。
あ、もちろんこちらでも大歓迎です(^^)。
EKKOさんの感想、楽しみに待ってますね!

こんにちは~♪
この作品、とてもよかったです。
シリーズ化してほしいです。もう度会さんや
風見さんに会えないなんて残念すぎます(^^;

この本は私も好きです~。
四季さんの感想を読んで飯村氏の謎もとけました。見落としていたのかと思って、
何度もページをめくって確認してしまいましたよ。
劇団φの舞台をぜひぜひ見たいものですね。
TBさせていただきましたので、よろしくです。

>ゆこりんさん
ほんと良かったですよね(^^)。
あ、でもこれでシリーズが終わりというわけでもないような…?
私も続きがぜひ読みたいです!


>りかさん
あ、りかさんも探しちゃいました? 私だけじゃなかったんですね。(笑)
ほんと、劇団φの舞台もぜひ観てみたいですー。
TBありがとうございました。こちらからもさせて頂きますね!

四季さん、ようやく読みました~
飯村氏、私も「え?」と思ったんですが、初登場だったのですね。読み落としていたのかと思ったので安心しました。
私は風見さんがお気にいりですね~

EKKOさん、こんにちは! 読まれたんですね~。
TB、ありがとうございます。
あ、みなさん思わず探してしまうんですね。(笑)>飯村氏
EKKOさんのお気に入りも風見さんですか! お仲間です~。
深く静かな彼の目を覗き込みたいです。(^^ゞ

こんばんは。
ぼくには役者の知り合いはいないんですけど、この作品を読むと、役者という人間がすごく洞察力の豊かな人種に見えてきますね。ちょっと怖いような…(笑)

いい作品でした。
TBさせていただきます。

おおきさん、こんにちは。TB、ありがとうございます。
ほんと、ちょっと怖くなっちゃいますね。(笑)>洞察力
随分前に読んだ何かの作品でも、役者だからその人間が見抜ける、みたいな言葉があったので
本当にそうなのかもしれません…
いい役者になれる必須条件だったりするのかもしれないですね。(笑)

四季さん、こんばんは♪
ご無沙汰しております。
遅くなりましたが第3回の最終結果をTBさせていただきました。
光原さん、見事3位にランクインですね。

第4回もよろしくお願いします。

野球クイズ楽しみにしておいてください。

トラキチさん、こんにちは!
ランキング、見て来ました。集計、お疲れ様でした。
この作品が3位に入ってくれて、すごく嬉しいです!
第4回も、こちらこそどうぞよろしくお願いします。
またぜひ参加させていただきますね(^^)。

野球クイズ、やっぱりあそこは私1人でしたね~。
本当にそんなことになれば、すごいのですが…(笑)

こんばんは。最近読んだのでTBさせてもらいました。
ほんまいい作品でした~。最初の響子さんのキャラがかなり好きで、主役かと思ったら全然違うし、びっくりしました。凝ってましたね。アユミさんも好きだし度会も・・ああ魅力的すぎる。
飯村さん、私も?でした。ここで謎が解けて嬉しいです。

ざれこさん、こんにちはー。ほんといい作品でしたよね。
光原さんの作品は、新作が出るたびに大好きで、嬉しくなっちゃいます。
そうそう、主役が変わっていくんですよね。私は途中の短編を読んでいたので知ってたんですが、
何も知らずに読むとびっくりしますよね。
でも、ほんとそれぞれの登場人物がみんな魅力的でしたし、お話自体も素敵でしたよね♪

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.