「火怨 北の燿星アテルイ」上下 高橋克彦

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陸奥の奥にひっそりと暮らしていたため、朝廷から特に干渉を受けることもなかった蝦夷たち。しかし陸奥から黄金が産出することが分かり、事態は急転。陸奥の土地、そして人々の心を守るために立ち上がったのは、蝦夷の若き長となった阿弖流為(アテルイ)。

いやー、本当にいい作品でした...。「男が泣ける」小説とは聞いていたんですけど、まさにそんな感じ。これほどの作品だったとは。や、これは読まなくちゃいけません。面白いとか感動したとか、そんな言葉では言い表せないぐらい、もう心底良かったです。
この作品の主人公はアテルイという若き蝦夷。18歳にして蝦夷たちのリーダーとなった人物です。若いからちょっと血の気が多いんだけど、でもみんなその熱さに魅せられちゃうほどの男気のある人物。このアテルイが表に出てきて初めて、それまでバラバラだった蝦夷たちが1つにまとまることになります。アテルイの腹心となる飛良手(ひらて)や参謀の母礼(もれ)、幼馴染の伊佐西古(いさしこ)... もうみんなアテルイに男惚れしてるし、彼ら自身もいい男揃いなんですよね。朝廷軍との戦いっぷりもお見事。そして後半になると、坂上田村麻呂が登場します。アテルイを知らなくても、坂上田村麻呂という名前には聞き覚えのある人も多いでしょうね。この田村麻呂がまた男気がある人物なんだ! もうほんと敵ながら天晴れというか何ていうか、なんでアテルイと坂上田村麻呂は違う側に生まれてしまったんだろう... と哀しくなってしまうほど。でもアテルイたちと田村麻呂の、お互いに対する信頼が、またいいんですよねえ。
で、ここまでくると、大体の筋書きは想像がつくよっていう人もいるかもしれないし、かく言う私もある程度は予想してたんですが... もうそんなの途中で吹っ飛んじゃいました。後半4分の1は予想を遥かに上回る展開。物凄く良かったです。最後の100ページなんて、ティッシュと大の仲良し。涙で目が霞んで文字も読めなくなっちゃったほどでしたもん。目も鼻も真っ赤っ赤。...私がそんな風に泣くのって、ものすごーーーく珍しいんですよ! しかも100ページずっと涙が止まらないなんて、我ながらびっくり。
ということで、皆様ぜひ読みましょう。文句なしの傑作です。(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「火怨 北の燿星アテルイ」上下 高橋克彦
「天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実」1~3 高橋克彦
「炎立つ」1~5 高橋克彦
「風の陣」1~3 高橋克彦

+既読の高橋克彦作品の感想+
「白妖鬼」高橋克彦
「闇から招く声」高橋克彦
「鬼」高橋克彦
「空中鬼」高橋克彦
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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Commentaires(5)

四季さん、こんにちはー。
TBありがとうございました♪

もう、全く四季さんと同意見です!
熱い物語で、読んでるこちらも熱くなっちゃいますよね。
登場人物一人一人がまたとっても魅力的で。
私は飛良手が一番好きです♪
敵なのに坂上田村麻呂も本当に好人物だし。

>最後の100ページなんて、ティッシュと大の仲良し。涙で目が霞んで文字も読めなくなっちゃったほどでしたもん。

もう、本当にそうなんですよ!私もティッシュで何度も涙拭きました。
私の場合涙もろくて結構泣いちゃうんですけど(笑)、でもこの時はじわっととかじゃなくてドバーッと涙流れました!
ラストなんてもう大泣きでした。
歴史物はちょっと・・・などという方にもこれは是非読んで頂けたらなと私も思いますっ(*^▽^*)

私もこのお話大好きです~。
骨太で男達が格好良くて。
遥か遠い昔の蝦夷に思いをはせちゃいますよね。

「炎立つ」も読んでなかったらオススメですよ♪

>みらくるさん
こんにちは! ほんと読んでて熱くなっちゃいますね。
敵も味方も魅力的これだけだからこそ、これだけの作品になるんでしょうね。
坂上田村麻呂が蝦夷に生まれてたら、いい仲間になれたのにねえ…
なんてつい思ってしまうんですけど、こんな坂上田村麻呂と戦えたのは
アテルイたちにとっても幸せなことですよね。
うんうん、私も涙はドバーッと流れました!(笑)
私をこんなに泣かせた小説というのは始めてかもしれないなー。
たらいまわしのあのお題に、この作品はぴったりでしたね。
私もほんと読めてよかったし、他の方にも読んでもらいたいです!


>りかさん
りかさんもお好きでしたか~。ほんといいですよね。骨太で男気があって。
これって、陸奥三部作ですよね。まだこれしか読んでないんです。
「炎立つ」もぜひ読んでみたいです!
あと、鬼のシリーズも途中になってるので、気になってるんですよね。
あれにも蝦夷が出てきてたし… 
合わせて読むとどんどん奥が深くなりそうです。

四季さん ご無沙汰しています。
検索かけたら一番にコチラにたどり着きましたよ
わたしも、これを読んだのです!!
めちゃめちゃ感動しました~!!!
読んだ人と語り合いたくって、TB先を探していたのです。
TBさせてくださいね。
お願いします。
私も最後は涙涙、号泣
嗚咽にまみれて泣きました!!!
炎立つ 母いつか挑戦したいですね。
(母礼、から「も」の変換が「母」に…)
今は、井上ひさし氏の「四千万歩の男」ってのを読んでるんですが
これも、蝦夷編でして、虐げられた蝦夷の民のことが出てきます。
熊谷達也さんにも、アテルイものがあるみたいですけど、こっちを先に読んだから
もう他のは読めないんじゃないかなと
思います。
http://homepage2.nifty.com/shortpage888/

shortさん、お久しぶりです~。
「火怨」読まれましたか。いいですよねえ、これ!!
やっぱり最後は泣いちゃいますよね。
私は普段本を読んでいてもほとんど泣かないので
せいぜい、うるっとくる程度なんですけど、これはもう号泣!でした。
嗚咽にまみれてって、ものすごく分かります~。お仲間です♪
アテルイもいいし、坂上田村麻呂もいいし、母礼も飛良手も!!
なんていい男たちばかりなんでしょう。素敵ですよねえ。(溜息)

「炎立つ」は、まだスタンバイ中なんですけど(近々読みます)
陸奥三部作の最後、「天を衝く」は先日読みましたよ。
あと、陸奥つながりで北方謙三さんの「破軍の星」も。
どちらもそれぞれにすごく面白かったんですが…
でもやっぱり「火怨」は特別かも…
アテルイものは、私ももういいって感じです。
もう「火怨」がすっかり特別な作品になっちゃいましたし??。
あ、でも陸奥物に関しては、色々と読んでみたいです。
「四千万歩の男」も気になります~。

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