「黒いハンカチ」小沼丹

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A女学院の英語教諭・ニシ・アズマ女史は、学院の屋根裏部屋が大のお気に入り。時間が空くとその部屋で絵を描いたり、運び込んだ古ベッドで午睡をしたりしています。しかしそんな彼女も赤縁のロイド眼鏡をかけると名探偵に変身。学院の内外で起きた出来事を解き明かしていきます。...ということで、昭和32年から33年にかけて雑誌に連載されていたという連作短編集。北村薫さんが「謎のギャラリー 謎の部屋」で取り上げて絶賛、文庫化の運びになったようです。さすがに時代を感じさせる文字遣いや文章なんですけど、でもそれがまた逆に雰囲気を出してました。
時には殺人も起きてるのに、むしろ「日常の謎」に近い雰囲気。意外と観察眼の鋭いニシ・アズマ女史が偶然何かを目にして、「おや」と思ったところから事件が始まります。ほんの小さな出来事から、事件の全体像を描き出してしまう鮮やかさ。でも普段のニシ・アズマ女史は、あくまでものんびり午睡を楽しむ可愛らしい女性なんですよね。この彼女の雰囲気が作品全体の雰囲気になっていて、とても優しい読後感。ミステリ部分以上に、この雰囲気をのんびりと楽しみたい作品かも。飄々とした味わいのある1冊でした。 (創元推理文庫)

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Commentaires(2)

こんにちは。
この作品、つい最近読みました。
短い中にユーモアを織り交ぜたいい作品でした。
伏線の張り方をもう少し巧妙にするとなおよくなるのではないかと、思うのですが。

deltaseaさん、こんにちは!
確かに伏線が… というのはありましたね。
今どきのミステリに慣れちゃってると特に…(笑)
でもニシ・アズマ先生の人柄が気に入ってしまったので
読んでいてとても気持ちが良かったです。
こんな作品が、北村薫さんが何も言わなければ埋もれてただなんて
勿体ないことですよね。

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