「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ

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修道士カドフェルシリーズ14冊目。今回は、5歳の頃から修道院で育てられてきたリチャードの父親が死んだ所から話が始まります。イートンの荘園主だった父親の死で、自動的に荘園主の地位を引き継ぐことになったリチャード。ルドルファス院長は父親の遺志を尊重して、成人するまではリチャードの教育を修道院で引き受けようと考えていたのですが、リチャードの祖母は、まだ10歳のリチャードを22歳の近隣の荘園主の娘と結婚させて領地を広げようと考えていて...。

この時代のことだから年齢の釣り合わない政略結婚っていうのも多かったんでしょうけど、でも10歳の少年に22歳の娘さんとはね...。(これが逆に、22歳の若者に10歳の少女だったら、あんまり違和感を感じなかっただろうなと思ってしまうのが嫌ですなー) でもこの娘さん、いざ登場してみるとこのシリーズに登場するのに相応しい、自分をしっかりと持った賢い女性でした。父親に逆らうなんてとんでもないって感じだったんですけど、いざ決意するとなかなかの芯の強さを見せてくれて素敵。そしてリチャード自身も、この出来事を通してきっと大きく成長したんだろうな。いくら利発でも、こんなことに巻き込まれてしまったら自分のことで精一杯。会ったこともない相手の感情まで推し量れるものじゃないですもんね。
あと、今回は森の描写がとても印象的でした。イギリスの森って日本の森とはやっぱり根本的にイメージが違うのかもしれないですね。私は森といえば鬱蒼とした深い森を思い浮かべちゃうんですけど、ここの描写を見てると案外明るい空間を持つ雑木林という感じ。...と、ここで思い浮かべたのが、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」。あれも確か明るいイメージでしたよね? そういえば「ロード・オブ・ザ・リング」のエントもあんなんだったし... あの映画では、エントだけは凄く違和感だったんですけど、やっぱりあれがイギリスの森なのかもしれないですね。ロビン・フッドもそんな明るい森に住んでたのかな。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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Commentaires(2)

こんにちは。トラバありがとうございま~す!
22歳でオバサンって。小学生にしてみたら僕もオジサンかぁと逆の立場だったら確実に凹みます(笑。
確かにフォレスト=森っていっても雑木林って感じですもんね。読んでみると、管理されてるみたいだから日本でいう里山って感じなのかもしれませんね。

こちらこそ、ありがとうございます(^^)。
まあ、小学生にしてみたら、そんなものなのかもしれませんが…
…実際に22歳で「オバサン」とか呼ばれたら、激怒しちゃうかも。
って、大人げないですかねー。(笑)

森は今回すごく印象的でした!

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