「図書館の水脈」竹内真

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「海辺のカフカ」を読みながら、ふと一人旅に出てしまった売れない作家と、同じように「海辺のカフカ」を読んで四国旅行に出たカップルの物語。昨日のたらいまわし企画のエントリを書きながら、図書館解禁になったら読もうと思っていた竹内真さんの作品をまだ読んでないのに気付いて、早速これを借りてきました。いやー、面白かった! もしまだたらいまわしのエントリをアップしてなかったら、これも入れたかったぐらい。読みながら何とも心地よくて、もう本の世界から戻って来たくなかったです。(笑)
「海辺のカフカ」へのトリビュート作品と聞いてたんですけど、カフカだけじゃなかったんですね。カフカ以外の村上春樹作品はもちろん、藤子藤雄氏の「パーマン」から(笑)、徳富蘆花、「ドン・キホーテ」、「クローディアの秘密」、「ライ麦畑でつかまえて」「青春デンデケデケデケ」... なんと50冊もの本が紹介されてるんです。...実は「海辺のカフカ」がそれほど大好きというわけではない私にとっては(これは内緒)、そういう予想外の登場本が凄く嬉しかったです。「海辺のカフカ」へのトリビュートというよりも、この世の中にある様々な本に対するトリビュートって感じですね。そして2つの視点から交互に物語が語られていくところは、「海辺のカフカ」と同じような感じ。でもこの2つの視点が交錯していく辺りからは、この作品の方が断然上のように思います。この辺りがほんと良かったな。
で、ワタルって、もしやあっちの作品のワタルと同一人物なんですか...?! そしてここに登場する売れない作家の名前って... もしかして(もしかしなくても)アナグラム?! 
この作品の登場する沢山の本の中で一番読みたくなったのは、ジャック・フィニィの「ふりだしに戻る」。タイムスリップ物だそうです。時間は積み重なっていくものだから、古くからある建物の中でぐぐっと集中すると意識が過去に戻るんですって。なんだか石川英輔さんの「大江戸神仙伝」を思い出しちゃった。この作品も、現代の普通の男性がいきなり江戸時代にタイムスリップしちゃう話なんですけど、丁度そんな感じで行ったり来たりするんですよね。まあ、いかにも男性が描いた作品って感じではあるんですが(男性のドリーム? 笑)、でもこれも面白いです。(ダ・ヴィンチ・ブックス)


+既読の竹内真作品の感想+
「図書館の水脈」竹内真
「真夏の島の夢」竹内真
「じーさん武勇伝」竹内真
「自転車少年記」竹内真
「笑うカドには お笑い巡礼マルコポーロ」竹内真
「オアシス」竹内真
「ワンダー・ドッグ」竹内真
「ビールボーイズ」竹内真
「シチュエーションパズルの攻防」竹内真
Livreに「粗忽拳銃」「カレーライフ」「風に桜の舞う道で」の感想があります)

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図書館の水脈竹内 真メディアファクトリー 2004-04 大学生のワタルとナズナ。作家の甲町岳人。全く接点のなかった彼らが、村上春樹の『海辺のカフカ』に誘わ... » Lire la suite

Commentaires(6)

作家の名前がアナグラム…みたいですね。気づいてませんでした。
ワタル君は同一人物でしょう。タイで修行中の兄弟がいるようなので。
作家の名前を確認するためにぱらぱらっと読み返して気づいたのですが、
甲町さんが「海で遭難した生き延びたお爺さんの自伝」をゴーストの仕事で書いたとのこと、
そのおじいちゃんって「じーさん武勇伝」のおじいちゃんのようです。
読めば読むほどいろんな仕掛けがありそうな一冊ですね。
残念なのは、登場文献リストの中で私が読んだことがあるのが10冊ちょっとしかなかったということです。

やっぱり、アナグラムですよね! 良かった。
いや、変な名前だなあと思いながら読んでたら、ふと…
びっくりしました。
あとお爺さんの自伝って、「じーさん武勇伝」に繋がるんですか!
うわー、それは知らなかった。
「じーさん武勇伝」は未読なんです。ぜひ読んでみなくっちゃ。
でもワタル君、あっちのワタル君とはなんだかちょっと雰囲気違いません?
彼女の話も出てきてたのか、チェックしなくっちゃ。(笑)

あ、あの中で私が読んだことあるのも、そんなものでしたよー。
「パーマン」は未読のままでもいいんですけど(笑)
もうちょっと色々と読んでみたいです。

私はこの本が初「竹内」さんだったのですが、他にもつながる話があるんですね!ぜひ読んでみます!

そうなんですよー。他の作品もぜひ読んでみて下さいね。
↑で話が出てくる「じーさん武勇伝」も面白かったですし、その他の作品とも関連が…♪
そして私の中での竹内真さんのベストは、「風に桜の舞う道で」なんです。
これは多分繋がりはないと思うのですが、こちらもぜひぜひ。オススメです♪

四季さんこんにちはー。
TBさせていただきました。

この小説って、竹内さんの他の作品とリンクしてるんですね。知らなかった…!
そういう、作中の世界がリンクしていく形式って好きなんです。
(伊坂幸太郎さんとかもそうですよね)

他の作品も読んでみたいと思います。
竹内さんの本は、全部読んでみたいなぁと思ってるのですが、
まずはおすすめしていただいた2冊から、とわくわくしてます。
またおすすめの本などありましたら教えてください。

尚さん、こんにちはー。TBありがとうございます。

そうなんですよ、他の作品と密かに色々とリンクしてるんです。
ほんと、丁度伊坂さんの作品みたいな感じで♪
私もそういう形式って大好きです~。お仲間ですねっ。(嬉)

オススメした2作のうち、「風に桜の舞う道で」はリンクされてなかったかもなんですが、
「自転車少年記」はリンクしてましたし、あと確実にリンクされてるのは
↑のコメントにも登場してる「じーさん武勇伝」とか「カレーライフ」とかですね。
色々読んでみて下さいませ~。

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