「トリエステの坂道」須賀敦子

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昨日読んだ「インド夜想曲」の訳者、須賀敦子さんのエッセイ。これも前回のたらいまわし企画「旅の文学」で、コウカイニッシ。のあさこさんが紹介されていた本です。「ゆるやかでとても深くて、やさしい」だなんて、それは何とも読みたくなってしまうではないですかー。
最初は須賀さんがユダヤ人の詩人・サバに憧れてトリエステの街を訪れたことに始まり、イタリア人のご主人とのこと、お姑さんや義弟夫婦のこと、イタリアで出会った人々のことなど、合わせて12編のエッセイが収められています。でも確かにエッセイではあるんですけど、まるで物語を読んでいるみたいでした。情景も登場人物もとても生き生きとしていて、場面場面が浮かんでくるんですよね。文章も読んでいて心地良いし... 日本語としてもとても美しいと思うし、その美しさ以上に、穏やかに優しく包み込んでくれるような懐の深さが心地よかったです。
トリエステという街の名前から、どうしても「triste(悲しい)」という言葉を連想してしまって、なんだか物哀しい気持ちで読み始めてしまったんですけど、でもそれもあながち間違ってなかったのかも...? という静かな余韻が残りました。これは確かに「ゆるやかでとても深くて、やさしい」ですね。しかも芯の強さもあって。...いいなあ、須賀敦子さん。他の作品もぜひ読んでみなくっちゃ。(新潮文庫)


+既読の須賀敦子作品の感想+
「トリエステの坂道」須賀敦子
「本に読まれて」須賀敦子
「ヴェネツィアの宿」「コルシア書店の仲間たち」須賀敦子
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「須賀敦子全集1」須賀敦子
「須賀敦子全集2」須賀敦子
「須賀敦子全集3」須賀敦子
「須賀敦子全集4」須賀敦子
「須賀敦子全集5」須賀敦子
「須賀敦子全集6」須賀敦子
「須賀敦子全集7」須賀敦子
「須賀敦子全集8」須賀敦子

+既読の須賀敦子翻訳作品の感想+
「インド夜想曲」アントニオ・タブッキ
「なぜ古典を読むのか」イタロ・カルヴィーノ
「ある家族の会話」ナタリア・ギンズブルグ

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涼しい、雨の夜ですね。先日フト、「たまには違う作家の本でも読むか。」と三作続けて読んだ重松清に、別れを告げて、違う小説を物色していたんですが、特にナニも読みたく... » Lire la suite

Commentaires(4)

初めまして、37kwというものです。
まず最初にスイマセン。
ナンカ調子が悪くて、4回もトラックバックしてます。
ホント申し訳ありません。

須賀敦子さんで検索していて、たどり着きました。
とても興味深く拝見させてもらいました。
フランス語がお好きなようですね。
また遊びに来たいと思います。
それではまた。

37kwさん、はじめまして! TB&コメントありがとうございます。
重複分は消しておきました(^^)。

「興味深く」だなんて、ありがとうございます。
須賀敦子さんの作品は、まだこれと「本に読まれて」しか読んでなくて
色々読みたいと思ってるんですが、でも慌てて読み尽くしてしまいたくないなー
とも思って、ごくゆっくりとしたペースになってます。(^^ゞ
37kwさんは、須賀さんの作品を色々と読まれてるのでしょうか。
お勧めがあれば、ぜひ教えて下さいね。

ドウモです。
須賀敦子さんの、お勧め、ということで考えてみたのですが、
読んだのはどれも5年ほど前で、
たまにパラパラ読み返してみるカンジでした。
なので、あまり自身はないのですが、
「ヴェネツィアの宿」でしょうか。
文章では直接触れられなかった、人々の生活をも想像させるような、
控えめでいて、優しさの感じられる文章がいいですね。
どの本もそうかもしれません。
コルシア書店の仲間たち、ミラノ 霧の風景、ユルスナールの靴。
どれもいいですね。

今まで、彼女が翻訳した本は読んだことがなかったのですが、
アントニオ・タブッキの本でも読んでみようと思っています。
それではまた。

>37kwさん
わあ、お勧めありがとうございます!
「ヴェネツィアの宿」ですね。メモメモφ(.. )
教えて頂いた他の作品も順次読んでいきたいと思います。
須賀さんの作品の場合、なぜか一気に読んでしまいたくないので
ゆるゆるとしたペースになると思いますが…
ありがとうございます(^^)。

アントニオ・タブッキ、ぜひぜひ。
「インド夜想曲」は、夏に読むのにぴったりです。
私はこれを最初に読んでしまいましたけど、
須賀さんの作品を読み込んでる方にとっては、
また違った発見などあるかもしれないですね(^^)。

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