「GO」金城一紀

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都内の私立高校に通う在日コリアンの「杉原」。中学3年の時に北朝鮮籍から韓国に籍を移したのをきっかけに、一念発起して日本人の通う高校を受験。でも中学までは民族学校に通っていたことがあっという間に広まって、学校ではほとんど友達も出来ない状態。そんな杉原が、ある時出会った「桜井」という女の子と恋をして...。

なんとなく重苦しい作風をイメージしてしまって、今まで敬遠していた金城作品。全然違ったんですねー。国籍問題という重いテーマを扱いながらも、とっても軽快。杉原本人が言ってるほどの恋愛小説かどうかは... でしたが(笑)、良かったです。何が良かったって、とにかく登場人物が! 特に主人公の杉原とそのお父さんがいいなあ。熱くてかっこいい! ただ、いくら韓国籍になってお母さんも強くなったからって、儒教の教えがしみついてるはずの杉原に父親に殴りかかるなんてことできるのかなあ、なんて思ったりもしたんですけどね。でもそういうシーンもひっくるめて、すごく良かったです。
で、この作品を読んでて思い出したのが、鷺沢萠さんの「君はこの国を好きか」。でも「GO」と「君はこの国を好きか」は、同じように在日韓国人が主人公で、その主人公たちが自分自身のことを考えさせる物語なのに、スタンスがまた全然違うんですね。「君はこの国を好きか」での主人公は、自分が韓国人なのに韓国のことを全然知らないことにショックを受けて、自分のルーツをもっと深く知ろうとするんですけど、「GO」の杉原はもっとグローバルな視野を持とうとするというか。でも国籍を変えることがあんまり簡単なのに驚いて、国籍なんてどこでも一緒と思ってるような杉原も、やっぱり日本国籍にはしようとしないし、桜井にも本当のことがなかなか言い出せないんですよねえ。
それにしても、自分が何者なのかちゃんと自覚してる日本人って、一体どのぐらいいるんでしょ。(自分も含めて) 日本人として日本にいる限り、普段は全然考えなくても済むことなんですよね。こういう作品を通して一歩踏み出すのは、すごくいいのではないでしょうかー。今度DVDも借りて来ようっと。(講談社文庫)


これで留守中の分の更新は終わりです♪


+既読の金城一紀作品の感想+
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GO ひたすら爽快で楽しかったゾンビーズシリーズと比べると、在日韓国人に対する差別の問題が色濃く中心にあるためか、少し重いです。とても考えさせられました。... » Lire la suite

Commentaires(9)

四季さん、こんばんは。
私も以前この本を読んだ時、複雑な内容がすごくストレートに語られてて、インパクトありました。良かったです。
そうそう、お父さんや主人公がかっこいいんですよね。真っ向勝負がすごいです。

この小説を読んだ時は、まだ拉致被害者の方が帰って来られてなかった時だと思うんですが・・。
今は日本におられる北朝鮮国籍の方への風当たりがいっそう厳しいだろうと・・。難しい問題を、考えるきっかけとかになりました。

ワルツさん、こんにちは!
ほんとこのストレートさが気持ちいいですよね。
真剣に語ることも必要だと思うんですけど、こんな軽やかさもいいものだなあって思いました。
しかも軽やかでありながら、必要なことはしっかり語ってるんですものね。
私の場合、日頃のほほんと過ごしすぎてるので(ダメダメ)
こういうきっかけは、これからも大切にしていきたいです。

四季さん、こんにちは~。

『GO』、私も好きです!
私は、別冊宝島の『あの人の国、「韓国」を知りたい。』という本の中の「在日韓国人の今昔」という章でご自身が在日である記者の方が“在日に対する暗いイメージだの固定観念だのに風穴を開けてくれる小説”が「やっと出た」と書いていらっしゃるのを見てこの本を読みました。
確かに読んで気分爽快になれる小説ですよね!

映画もDVDを借りて見ましたよ~。家族、恋愛、友情など色々な要素がある映画でした。
主人公の両親役の山崎努&大竹しのぶのおとぼけぶりは笑えます♪
もちろん、窪塚洋介と柴咲コウの若さ溢れる力強い演技も良かったですよ。

みらくるさん、こんにちは!

「GO」、ほんといいですねえ。
私は勝手に金城さんの作風を全然違う感じに想像してたので
今回手に取って本当に良かった!と思いました。
ほんと、その在日の記者の方が仰る通りの作品ですね(^^)。
金城さん、他の作品も読んでみたいです。
それにDVDも絶対に借りようと思って! 楽しみです(^^)。

別エントリになりますが、野村進さんの 「コリアン世界の旅」も良かったですよ。
みらくるさんはもう読まれてるかしら…。
もしまだだったら、オススメです(^^)。

四季さん、こんにちは。
僕も四季さんと同じく、金城さんの作風をこのような感じと思っていなかったので驚きもありましたが、
読んでよかったと思ってます。金城さんの本にちょっとはまりそうです・・・。

映画も見られたようですね。
窪塚洋介はあまり好きではないんですが、ちょっと見てみたくなりました。

あおちゃんさん、こんにちはー。金城さん、いいですよね。
土台がしっかりしているから、「軽い」というよりむしろ「軽快」な印象ですものね。
結局その後、全作品読んでしまいました…。(笑)
金城さんが書きたかったことは、「GO」に濃縮されてるような気もしますが、
ゾンビシリーズもオススメです(^^)。

映画に、もう少し原作の軽快さがあれば、言うことなかったのですが
でも映画も良かったですよ。(映画の方が、なんていうか真面目なイメージでした)

ゾンビーズシリーズから入ったので、この重さには、初めちょっとびっくりしました。
なのに読んでいて軽やかさを感じるんで、不思議だったのですが、文体や雰囲気に軽快さがあるからなんでしょうか。
今「対話篇」を読んでます。これで金城さんコンプリートです。
もう少し楽しみにとっておきたかったのですが、図書館本なのでそうも言ってられなくて・・。
何だか一気に読むのがもったいない感じです。

すみません・・。コメントもTBも重なってしまいました。削除してくださってかまいません。お手数かけますm(_ _)m

juneさん、こんにちは。「GO」を読まれたんですね。
確かに、ゾンビーズシリーズから入ると、ちょっとびっくりしそうですね。
こちらでは真正面からテーマに向かい合っていて、重すぎるほど重いですものね。
なのに、それが軽快な文体で書かれていて、バランスが絶妙。
とても読みやすい作品になっているところが、すごいなあって思ってます。
あと1冊でコンプリートですか!
確かにそれで終わっちゃうと考えたら淋しいですよね~。
私も早く新刊が読みたいです。次にどんな作品が登場するのか楽しみです♪

重複分は削除しておきました(^^)。

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