「影踏み鬼」翔田寛

Catégories: / /

 [amazon]
なんだか怖い表紙ですねー。これは本のことどもの聖月さんのオススメの作品。聖月さんったら力を入れるあまり、まるでスパムのようなトラックバックまでばら撒いたんですよー。(笑) その聖月さんの書かれた書評はコチラ
で、そのトラックバックを頂いてから1ヶ月以上経ってしまったわけなんですが、読んでみました。(←これでも早い方なのだ) 
舞台は江戸末期から明治にかけての日本。表題作は、とある狂言作家が、若い頃に師匠に聞かされた話を物語るという形式。この表題作の中にも、顔は美しく化粧をしていても心の中は...という譬えが出てくるんですが、まさにそういう感覚の作品群です。核となる登場人物たちは、かつては華やかな暮らしをしていたり、幸せを掴んでいたりと一応恵まれた日の当たる場所にいたはずの人々。なのに物語の視点となる人物が見ている「今」は、既に凋落した生活ぶり。そこには一応、一般的な人々が納得できるような理由や解釈が存在するんですが、それだけではないんですよね。読んでいると、まるでたまねぎの薄皮を1枚ずつはがしていくような感覚です。1枚ずつはがしていって、その一番奥に潜むものは...? もうほんとゾクリとさせられます。5つの物語には特に繋がりも何もないのですが(日本の伝統的芸能が多く登場するけど)、でもやっぱりこれは連作短編集なんじゃなかろうかーって思います。全て読み終えてみると、どれも1人の狂言作家の目を通してみた物語という気がするし。本物の芝居を書くために、人々の生業やそこに潜む闇を覗きこむ目、ですね。
ええと、純粋に好きかどうかと聞かれると、実はあまり私の好みとは言えないのだけど...(聖月さん、ごめんなさいー)、でもオススメしたくなるのも良く分かる良質の短編集。翔田寛さんって、去年ミステリフロンティアに書かれるまでは、実は名前も良く知らなかったんですけど、こんな作品がデビュー作だなんて! しかも埋もれていたなんて!(あ、別に埋もれてない?) たとえば心の闇を描いた作品が好きな人なら、すごくハマると思います。一読の価値はあるかと♪(双葉文庫)

| | commentaire(2) | trackback(1)

Trackbacks(1)

「影踏み鬼」翔田寛 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

あなたは本当に面白い文庫本を読み逃している!!! 勝手に言わせていただくが、上記の言葉は、リンクいただいている方、毎日ここを覗いていただいている方への、心... » Lire la suite

Commentaires(2)

あ、誉めてないしい、みたいな(笑)
でも、読んでくだすってありがとうございました。
スパムのようなTBって聞き捨てならないですが、あれはスパムです(キッパリ)(^.^)
多くの、嫌がらない方を選ばせていただき、強制的に“読めよ!絶対だぜ!”というぐらいには嫌なスパム的TBです(笑)。
でも、デビュー作という観点からしたら、文章に不安のない作家ですよね。
埋もれているか?埋もれているんでしょうねえ。『参議怪死ス』が今年のランキングに絡まなければ、書評家あたりがイチオシしなければ、埋もれたままかも。

でも、とりあえずは追いかけていきますよ。
いつかの大傑作を誰より早く読むために。

いやーん、れっきとしたスパムTBだったんですね!
うちのブログ、スパム対策はきっちりしてるのにおかしいなあ。(笑)
でも実際、見事に術中にハマってる私ってば。(笑)

あ、でもおかしいなあ。褒めてませんか…
や、好みかと言われれば、それほどでもないというだけで、
すごく実力がある作家さんだとは思います。
デビュー作とはとても思えない安定ぶりと構成力ですものね。
たまねぎの皮は、ほんとは褒めてるはずだったんですよー。(笑)
いつかの大傑作をものしてくれそうな作家さんなので
その時の聖月さんの書評を楽しみに待ちたいと思います。
その時はまたスパムTBを送って下さいね(^^)。

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.