「冬物語」「闇の城」タニス・リー

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タニス・リー2冊。「冬物語」の方は、表題作と「アヴィリスの妖杯」という2つの中編が収められています。「冬物語」は、タニス・リーにしては色彩を抑えた灰色の世界なんですが、それだけに最後に現れる青色が鮮烈。それに対して、「アヴィリスの妖杯」は最初の血と焔の赤と闇の黒が強烈。タニス・リーらしい煌びやかさで始まり、最後は穏やかな風景で終わります。そして「冬物語」は盗まれた聖遺物を追う巫女の話、「アヴィリスの妖杯」は、盗み出した金杯のせいで追われる話。対照的な話のようでありながら、どこか似ているような気もする絶妙なカップリング。そして「闇の城」は、そういう色彩や何かもあるんですけど、それよりも何よりもヒロインの我儘ぶりが凄かった! 平たく言えば、囚われの身のお姫さま(?)を吟遊詩人が助け出すという話なんですが(平たくしすぎ?)、その吟遊詩人も途中ほとんど嫌々助けてましたしねえ。(笑)
どちらの作品も、先日読んだ「月と太陽の魔道師」同様ジュブナイルとして書かれた作品なんですが、こういう作品を読むとジュブナイルの定義って何だろう?って思ったりします。どれも官能的な描写がないだけで、大人が読むのにも相応しいファンタジー。どこか懐かしいお伽話の香りがしながらも、でもやっぱりタニス・リーならではの作品なんですよね。どんな年齢で読んでも、それぞれに満足できるような幅広さがあるような。
私は子供の頃からファンタジーが大好きだったんですが、子供用のファンタジー作品を卒業する頃、大人用のファンタジー作品の中でどれを選んだらいいのか全然分からなかったんですよね。ハヤカワ文庫には沢山ファンタジーがあったけど物凄い数だったし、最初に当たった作品が全然面白くなかったので、あまり冒険する気にもならなくて。その頃タニス・リーに出会ってたら、今頃読書傾向がまた全然違っていたのかもしれないなあ。や、最近ではすっかりファンタジーにも戻ってきてるので、回り道した分少しは幅も広がって、結局良かったような気もするのですが。(笑)(ハヤカワ文庫FT)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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