「白い薔薇の淵まで」中山可穂

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ジャン・ジュネの再来とまで言われた新人女性作家・山野辺塁と「わたし」の恋愛の物語。
中山可穂さんの作品を読んだのは、「サグラダ・ファミリア」に続いてこれで2冊目です。「サグラダ・ファミリア」もものすごーく良かったんですけど、なかなか強烈なので、気になりつつも次が続かなかったんですよね。そしたら、たらいまわし企画の第10回「映画になったら見てみたい」ではdarjeeling and bookのかっこーさんが、第11回「『旅』の文学!」ではどこまで行ったらお茶の時間の七生子さんが、第12回の「爽やかな春に読みたい青春小説 」ではa daydreamのBryumさんがこの本を挙げてらっしゃるじゃないですか。3回連続登場! 凄いですね。
ということで読んでみたのですが、この作品も凄かった。ほとんど魂が持って行かれそうになりました... この2人の女性の恋愛は、周囲を不幸にして自分も相手も不幸にするのが分っていても、お互いに取り返しのつかないほど傷つけあいながらも、それでも尚相手を求めずにはいられない関係。これまでは、恋愛に性別ってあんまり関係ないんじゃないかとも思ってたんですけど、やっぱりこれは女性作家さんの描く女性同士の恋愛だからこそなのかも...。いや、「恋愛」なんてそれこそ人間の数だけあるものでしょうし、男女だからどうだとか女性同士だから男性同士だからって、決め付けるのはナンセンスなんでしょうね。でも少なくとも、元々あまり恋愛感情の強くない私にとって、ここまで自分をさらけだして相手にぶつけるというのは絶対に不可能なので、この2人の関係はちょっと羨ましくもありました...。

この作品は山本周五郎賞受賞作品でもあります。私が日本ファンタジーノベル大賞と並んで信頼している、貴重な文学賞。だって「異人たちとの夏」だって「そして夜は甦る」「エトロフ発緊急電」「スメル男」「ダック・コール」「天空の舟」「リヴィエラを撃て」「ガダラの豚」「鉄鼠の檻」「しゃべれども しゃべれども」「ライオンハート」「黄色い目の魚」「家守綺譚」「ナラタージュ」...といった作品が受賞したり候補になったりしてるんですもん。もちろん、中には私が好きじゃない作品も受賞してたりしますけどね。
↑ここに挙げた作品って、あんまり... というか全然統一性がないんじゃ... って感じですけど、対象となるのは「すぐれて物語性を有する新しい文芸作品」なのだそうです。(集英社文庫)


+既読の中山可穂作品の感想+
「白い薔薇の淵まで」中山可穂
「猫背の王子」「天使の骨」中山可穂
「感情教育」「深爪」中山可穂
Livreに「サグラダ・ファミリア-聖家族」の感想があります)

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Commentaires(4)

四季さん♪
読まれたのですね。白い薔薇の淵まで。

いいですよね。熱い思いが伝わってきますよね・・・。
>ここまで自分をさらけだして相手にぶつけるというのは絶対に不可能
そうか。そうですよね。
自分をそこまでさらけ出せないからこそ憧れる
と言う思いが私も強かったのかもしれません。
そして羨ましい。

次に、読むなら何が良いですかと聞いたら
サグラダファミリアを奨められました。
買いましたがまだ読んでいません。
何かハァってピンク色のため息が自分から出る感じで
魂が吸い取られる感じで・・・
チョットミステリー読んで体力温存中です(笑)

読みました! いやー、良かったです。
ほんと熱い思いが伝わってきますよね。
この2人のような関係は、自分には出来ないだけに憧れたりもするんですが
でも、本当にこういう恋愛ができたとして、それが幸せなのかどうかというのは
また別問題なんですよね… でもやっぱりちょっと羨ましい。(笑)

「サグラダファミリア」も、すごく良かったですよー。
でもだからといって、読んだ直後すぐには次の中山さんの作品に進めなかったし

体力を温存してから読んで正解かもです~♪

>何かハァってピンク色のため息が自分から出る感じで
>魂が吸い取られる感じで・・・

うんうん、すっごく分ります(^^)。

四季さん、こんにちは。
中山さんの作品は、以前アンソロジー「ありがと。」に
掲載されていた作品がとてもよかったので、
一度長編も読んでみたいとずっと思っていたのですが、
この本は想像以上にすごい作品でした。
衝撃的なのに目を離せない求心力を感じました・・・

tamayuraxxさん、こんにちは。
「光の毛布」、良かったですよね。私も好きです。
でもやっぱり長編の方が本領発揮と言えそうな気もしますね。
この作品も、すごい吸引力ですものねえ。

あと長編では、「サグラダ・ファミリア」が良かったですよ。ぜひぜひ。
あ、でもこの方の作品はあまり続けて読まない方が
1つの作品の印象が強く残りそうな気もします。

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