「蒲公英草紙」「光の帝国」恩田陸

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舞台は福島県南部、阿武隈川沿いに広がる平野にある集落。語り手となる峰子は、その集落の名称にもなっている名家・槇村家の末娘・聡子の話し相手としてお屋敷に上がることになります。聡子は生まれつき心臓が弱くて学校にも行けずに家の中だけで暮らしているのです。そんなある夏のこと、屋敷に不思議な一家がやって来て...。

ようやく読みました、「蒲公英草紙」! いやあ、素敵でしたー。まるで語り部の語り継いでゆく物語のようです。峰子が語り手となり、柔らかで穏やかに物語は紡がれてゆきます。静かに淡々と進むんですけど、でもその中の情景は思いがけないほど鮮やかに浮かび上がってくるんですよね。そして淡々と静かに流れる幸せな日々の奥に潜む厳しさを、ふと感じさせられたり。私には、洋行帰りの西洋画家と、仏が見えなくなってしまった仏師の、絵を巡るエピソードが特に印象的で、はっとさせられました。そして最後はもう...(涙)血は異ならず 果しなき旅路

「蒲公英草紙」の余韻で、思わず「光の帝国」も再読。今日からまた祖母の家に行くんですけど(今度は8月12日まで)、自宅にいる間に「蒲公英草紙」を読んでおいて良かったです。でないともう一度「光の帝国」を買いに本屋に走りかねませんでしたもん。(笑)
ちなみに右の画像は、「光の帝国」に影響を与えたというゼナ・ヘンダースンの「果しなき旅路」と「血は異ならず」。どちらが好きかといえば、やはり恩田さんの作品の方なんですが、こちらも素晴らしいです。失ってしまった故郷への郷愁がとても切なく哀しい物語。(集英社)


+シリーズ既刊の感想+
「蒲公英草紙」「光の帝国」恩田陸
「エンド・ゲーム」恩田陸

+既読の恩田陸作品の感想+
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Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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Commentaires(16)

蒲公英草紙だ~♪
私も、絵をめぐるエピソードにはぐっときました。
光りの帝国から、年を経ていることもあり、言葉も洗練していてよかったです。
キャリー、グリーンマイル、ナイトヘッド、シックスセンス、この手のお話しには、滅法弱いので、
(キャリーで号泣しちゃうんですよ。。笑)
和テイストのコチラのお話は、本当に、ここちよかったです。
「果しなき旅路」と「血は異ならず」も、読んでみたいです。
次は、エンドゲームがでるんですよね。
怖いのですが、楽しみです。

picoさん、こんにちは~。
ほんと、言葉もぐっと洗練されていますね。
続けて「光の帝国」を読むと、もちろんこちらも大好きなんですが、
ああ、まだ文章が若かったんだ… なんてことを思いましたよ。
今回、本当に読みながらとても心地よくて
いつまででもこの世界に浸っていたかったです。
「エンドゲーム」も楽しみですね。でも、ちょっと怖そうでドキドキ…

「果てしなき旅路」と「血は異ならず」もぜひ!
「血は~」の方は、入手が難しそうですが、「果てしなき~」は大丈夫ですし♪
「光の帝国」とは、民族や宗教の違いをすごく強く感じるのですが、
それもまた色々と興味深いです(^^)。

四季さん、こんばんは~。
読み終えられたのですねー。
>続けて「光の帝国」を読むと、もちろんこちらも大好きなんですが、
>ああ、まだ文章が若かったんだ… なんてことを思いましたよ。
そうですね! 四季さんの言葉で「蒲公英草紙」の文章の流れるような美しさを改めて感じました。
恩田さんが、「小説以外」のどこかで、どんどん文章が進化してるみたいな事をおっしゃっていたのも印象的でした。
まだまだこれから続いていく常野の人々の物語が益々楽しみになりました。
>「果てしなき旅路」と「血は異ならず」もぜひ!
>「血は~」の方は、入手が難しそうですが、「果てしなき~」は大丈夫ですし♪
私も是非読んでみたいです。紹介して下さってありがとうございます。

こんばんは。
「蒲公英草紙」がとてもよかったので、「果しなき旅路」も読みました。
とても面白かったです。超能力者というより、「宇宙人」という設定ですね。
「血は異ならず」も読みたいのですが、手に入らず、図書館にもなくて・・・残念です。

>ワルツさん
ワルツさん、こんにちは~。
なんだか勿体なくてなかなか読めなかったんですが、ようやく読みました!
良かったです~。すっかりこの世界に浸ってしまいましたよ。
文章も、そうですよね。ワルツさんの仰る「流れるような」という言葉がぴったり。
次の「エンド・ゲーム」は、連載も終了しているそうだし、こちらもとても楽しみですね~。
そして常野のことは、これからもライフワークのように書き続けていって欲しいです。

読んだ後も、装幀が素敵でなでなでしてしまいます~。蒲公英草紙という題名にぴったり。
そして蒲公英という花は、芯の強い峰子にもぴったりですね♪

>EKKOさん
EKKOさん、こんにちは~。
「果てしなき旅路」もいいですよね。
ああ、ここから「光の帝国」が生まれたのかー、と思うと
読みながら感慨深いものがありました。

この2冊、3年ほど前に揃って復刊してたんですよ。
それなのに、もう入手が難しくなってるし…
作品そのものももちろんですが、恩田ファンに需要が高そうだし
またぜひ出して欲しいですね。

市内の図書館になくても、他から借りてもらえるかも?
ダメ元でリクエストを出してみてはいかがでしょ?

四季さん、こんにちは~♪

『蒲公英』の余韻で『光の帝国』を再読してしまうって、そうなんですよね~。私も再読しちゃいましたよ!
私も最後は涙~(つД`)でした。

私も「果てしなき旅路」読んでみたいです!

あ!それから『青春デンデケデケデケ』は私家版でなく河出文庫の方が四季さんオススメなのですね!
実はどちらを読んだらよいのか迷ってたのです~。ありがとうございました♪

みらくるさん、おはようございます~。
やっぱり再読したくなっちゃいますよね!>光の帝国
サイトを開いてからは、なかなか再読のチャンスがないので
いい機会になって、それもとても良かったです♪
「果てしない旅路」も、ぜひ手にとってみて下さいね。
この分だとあまり重版されないかもしれないので、今がチャンスかも!

「青春デンデケデケデケ」、本をいいですし、映画も良かったですよ~。
私の中では、方言がいい味を出してる作品ベスト1です(^^)。

こんにちは~♪
この本を読んでますます常野シリーズが
好きになりました。早く次が出てほしいです。

ゆこりんさん、こんにちは~。
次は「エンド・ゲーム」ですね。
常野のダークサイドのお話ということで、ドキドキ…
連載も終わってるようですし、早く読みたいです(^^)。

四季さん☆こんばんは
この本を読んでいると、頭の中に美しい田園風景が浮かんできました。
山があって、川があって、田圃や畑があって、井戸で水を汲んで、日本ってそういう国だったんですよね。
常野の人達とまた、別の本で再会したいものです。

Rokoさん、こんにちは。はじめましてですよね…?
(違っていたらゴメンナサイ)
ほんと、美しい田園風景が浮かんできますよね。
昔の日本は、どこに行ってもそんな風景が見られたはずなのに…
今は失われてしまったその風景が、常野の人たちに重なって、切ないです。

TBさせていただきました。

蒲公英草紙、素晴らしいですね。

願わくば常野に行ってみたいものです。

accomouseさん、はじめまして。TBありがとうございます。
ほんと常野に行ってみたくなりますね。
私の中では、常野の人々はすっかり実在の人々のような存在感となってます(^^)。

こんにちは!
TB&コメントどうもありがとうございました。

常野はいいですねー!この作品でとうとう恩田陸にどっぷりつかってしまいました。
いろんな小説がありますが、今のところ常野が一番感動してます。
春田家ラヴ。

moji茶さん、こんにちは~。
私ね、一番最初に読んだ恩田作品が「光の帝国」だったんですよ。
で、すっかりハマってしまったのでした~。
常野はいいですよね。彼らが実在しないなんて、到底思えません。その辺りにいそう。
特に春田家、いいですよね。ほんと大好きです♪

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