「ピュタゴラスの旅」酒見賢一

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またしても酒見賢一さん。こちらはデビュー作の「後宮小説」に続く短編集です。これも全然中国の気配すらなくて、現代日本のミステリの形式を借りて小説という虚構を皮肉っていたり、古代ギリシャ哲学者や数学者の話であったり、徐々に現実と幻想の境目がなくなっていくホラー(ファンタジー?)であったりと、作風は様々。解説を読んでいたら、この本が出た時の酒見さんの「中国小説の作家だと勘違いされてるようだったので、いかんなあと思ってああいうのを書いたんですけどね。あれを読んで得体の知れない作家だなと思われたらうれしいですね。何でもありという作家になりたいんですよ」という言葉が引用されてたんですけど、まさにその通りになってるじゃあないですか!(笑)
この中で気に入ったのは「籤引き」という短編。泥棒とか殺人が起きた時に、真犯人を探し出して裁判にかけるのではなくて、籤引きで当たった人間こそが真犯人、という考えをしている未開の村の描写がとても面白いんです。一見非常識に見えるこのやり方も、読んでいるうちに徐々にそれが正しいように思えてきてしまうんですよねえ。(笑)(講談社文庫)

私が読んだのは古い講談社文庫版なんですが、画像とリンクは集英社文庫版です。(どちらにしても今は入手できないんだけど)


+既読の酒見賢一作品の感想+
「陋巷に在り」1・2 酒見賢一
「陋巷に在り」3・4 酒見賢一
「陋巷に在り」5・6 酒見賢一
「陋巷に在り」7・8 酒見賢一
「陋巷に在り」9・10 酒見賢一
「陋巷に在り」11・12 酒見賢一
「陋巷に在り」13 酒見賢一
「語り手の事情」酒見賢一
「聖母の部隊」酒見賢一
「ピュタゴラスの旅」酒見賢一
「泣き虫弱虫諸葛孔明」酒見賢一
「中国雑話 中国的思想」酒見賢一
Livreに「後宮小説」「墨攻」「童貞」「周公旦」の感想があります)

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実は最近ピュタゴラスにご縁がある、まろまろです。 さて、『ピュタゴラスの旅』酒見賢一著(集英社)2001。 「ピュタゴラスは旅人であった」 ・・・ピュタゴラス教... » Lire la suite

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