「生まれる森」島本理生

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高校3年生の時に予備校の教師・サイトウさんと付き合い、そして別れ、自暴自棄になった「わたし」は気軽な男の子たちと適当に付き合った挙句、妊娠。そして中絶。そんな「わたし」が徐々に自分を取り戻していく物語。

これが、綿矢りささんと金原ひとみさんが芥川賞を取った時に、一緒に候補になってた作品なんですねー。
あとがきには、「厳密には、この物語は恋愛小説とは言えないかもしれない」とあったんですけど、これのどこが恋愛小説じゃないんだろう、って考えてしまうほど、私にとっては恋愛小説でした。主人公の「わたし」が、いくら恋を失ったからといって、そんな手軽な男の子たちと適当に寝てしまうような子には見えなかったのが難点なんだけど... でもそんな風に見えない彼女が実はそういう行動に出て、高校の夏休みにキャバクラでバイトをしてしまうような同級生のキクちゃんが、「けど、やっぱり好きじゃない人と寝ちゃだめだな」なんて言ってるところが、やっぱり今らしさなのかもしれないですね。...でも堕胎を扱っているというのに、この扱いの軽さは何なんだろう...。
そんな時に知り合った男性との緩やかな付き合いを通して、深くて暗い森の中から、徐々に周囲が明るくなっていくようなところが良かったです。希望が感じられて。誰かに見守ってくれる人がいればそれだけでいいって時は、確かにありますよね。

島本さんの作品が3冊続きましたが、最新作「一千一秒の日々」は手元にないので、とりあえずここまでです。この本の表紙の絵はミヒャエル・ゾーヴァ! 本の裏までこの絵が続いていて、そういう使い方が素敵です。ここに出てくる画像に帯がついてなくて嬉しいわあ。(講談社)


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Commentaires(2)

こんばんは。
島本理生さんは何となく気になる作家さんで、これからも追いかけていきたいと思っています。
「一千一秒の日々」も早く読みたいです。

EKKOさん、こんにちは!
あ、「何となく気になる作家さん」という言葉、私もまさにそうなんです。
大ファンかって聞かれると決してそうじゃないし、
そもそもどのぐらいファンなのか疑問なんですけど(おぃ)、でも目が離せない感じ…
「一千一秒の日々」も楽しみですね(^^)。

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