「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー

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「影に歌えば」は、タニス・リー版「ロミオとジュリエット」。ヴェローナがヴェレンサ、ロミオがロミュラーン、モンテギューがモンターゴー、マーキュシオがマーキューリオと多少変えてある程度なので、誰が誰なのかすぐ分かります。ハッピーエンド好きの私にしては珍しく、シェイクスピアは悲劇の方が断然好きなんですが、それでも「ロミオとジュリエット」は、私の苦手なすれ違い物。あまり好きじゃないんですよね... でもタニス・リーの手にかかると一味違いました。相変わらずの華麗な描写だし、ところどころで異教の神々の名前が登場して、本家とはまた違う艶やかさ。脇役までしっかり描かれていて、人物造形は本家よりも遥かに深みがあるんじゃないかと。ラストもこっちの方が好き! これを読んでしまったら、もう本家の方は読めなくなっちゃうなあ。...歴史小説を読んでる時なんかによく思うんですが、同じ過程を辿って同じ結末に至るにしても(変えるにしても)、どう話を膨らませるか、どう読ませてくれるかという部分が、作家さんの腕が問われるところですよね。もちろん本歌取りも。
そしてもう一方の「死霊の都」の方は、ええと、あんまり印象に残らなかったです...。タニス・リーらしく夜の闇の世界が舞台の作品なんですが、なんだか書き込み不足で勿体無い感じでした。(ハヤカワ文庫FT)


そしてこの2冊で、タニス・リー単独作品はコンプリート! 絶版本も全部手元に揃えられました。わーい! いやー、長い道のりでしたー。もちろん、全部が全部大好きというわけにはいかないんですけど、でも全部読めてほんと嬉しい。
ちなみに私的タニス・リー作品ベスト3は、1位「闇の公子」、2位「惑乱の公子」、3位「銀色の恋人」。あ、でも「幻魔の虜囚」も捨てがたい...。タニス・リー版「王子と乞食」の「月と太陽の魔道師」とか、おちょくられてるような「白馬の王子」も結構好きだし。って初期の作品ばっかりだ!

タニス・リーの作品で装幀が好きなのはこの2つ。どちらも加藤俊章さんのイラスト。この方、タニス・リーの本ではかなり挿絵も描いてらっしゃいます。クリムトを思わせる絢爛豪華なカラー絵も素敵だし、ビアズリーを思わせる白黒の絵が、またとてもいいのです。
 


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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