「漢方小説」中島たい子

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突然、体がセルフ・ロデオマシーンのように暴れだし、救急車で病院に運ばれた川波みのり。原因として考えられるのは、以前つきあっていた男性が結婚を決めたこと、そしてその話を聞きながら牡蠣を食べたこと。それ以来、胃の調子が悪かったところに、近所の病院でもらった胃薬を飲んだ途端、全身が震えだしたのです。しかし救急車で運ばれた救急外来の医者も、その後で行った3つの病院でも特に異常なしという診断。そこで思い出したのが、高校時代に喘息で通っていた漢方医。そこの若い医者は、みのりのドキドキする場所をあっさりと探り当て、しかも「腎」の働きが弱っているのだと言います。みのりはそれ以来、その漢方医に通い始めることに。

西洋医学と東洋医学の違い、陰陽五行説に関しては何となくの知識はあったんですが、目盛りのある西洋医学に対し、東洋医学はシーソーでバランスを取ってる感じだとか、体は常に変化し、病気も自分が生み出す変化として捉える考え方など、とても興味深かったです。坂口医師の言葉を聞いていると、あさっての方を向いている精神状態でも全然構わないんだなーって、そんな気になっちゃう。だからといって漢方医が漢方至上主義ではなくて、「病気によっては西洋医薬でバーンと治しちゃった方がいいものもありますけどね」なんて言ってるんですけどね。
みのりの症状はかなり深刻そうなのに、ユーモラスでほのぼのとした語り口。特に大きな変動もなく、あっさりとした展開。でも、読んでいるだけで安心できるような気がしてしまいます。まるでこの本自体が坂口医師の処方する漢方薬みたい。こういうの好きだなあ。(集英社)

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漢方小説中島 たい子 / 集英社(2004/12)Amazonランキング:12,898位Amazonおすすめ度:漢方の知識が本当につきますよ。主人公とお友達にな... » Lire la suite

Commentaires(8)

四季さん、こんにちは。
私も、この本が持つユーモラスさが好きです!
坂口医師の“バーンと”というのと、みのりの保険証に対するくだりが、とても印象的な作品でした。
それに、私は薬にお世話になっている身なので、とっても勉強になった部分が多かったです。担当医は、西洋医学でバーンと治しつつ、漢方薬も処方してくれているから、柔軟なタイプなのかぁ…なんて。
トラックバックさせてくださいまし。

患者の症状によって東洋医学と西洋医学を
上手く使い分けられる医者っていないもんかなーと
この作品を読んだ時、真剣に思っちゃいました。
書き方によっては重い雰囲気にもなりそうな話ですけど、
あっけらかんとして深刻過ぎないところがいいですよね。
ただ、あまりにも淡々としてて、
メリハリのはっきりした話が好きな私には
ちょーっと物足りませんでした。

四季さん、こんばんは。
掲示板の方に”夏風邪”と書いていたのに、丸一日の風邪薬の服用&普段よりちょっと多めの睡眠であっさり快方に向かっています(笑)。根が丈夫なので(ホントに超頑丈です)、野生の動物並に(ってどのくらい?)回復が早いです。そのかわりちょっとしたことで大騒ぎしちゃうんですけどね。
さてさて、「漢方小説」、私もチェックしてたんです。四季さんより先に読んで、面白かったらオススメしようと思っていたのに、さすが四季さん!先に、読了されてしまいました(^^;)。ちなみに、わたしはまだ入手してもないんですけどね。全然だめです・・・(苦笑)。
でも、評判がよさそうなので、楽しみが増えました☆漢方は奥が深そうですね(*^^*)
最後になりましたが、ご心配をおかけしました。もう、大丈夫です(^^)/これからはバンバン本が読めるので、嬉しいです☆

凄いですね。
私も以前自家中毒(幼少期の子供がかかる一種の精神的嘔吐)に高校生と大学生の時かかり(笑)
病院を何件も行ったのに解らず
結局心療内科を併せ持つところに見て貰って
治りました。
原因は自分の悩みではなく友達の悩みを
真剣に考えていたから・・・。
それ以後適当に生きるようには努力しています(笑)
この本読んでみようかな。
ところで漢方ってまずそうなイメージがあるんですが
美味しい漢方もあるって知ってます?
http://www.nihondo.co.jp/
ここのランチ超お薦めです。

>ましろさん
すっかりお返事が遅くなってしまってごめんなさい。
TBとコメント、ありがとうございます(^^)。
ほんと、このユーモラスさが何ともいえず良かったですよね。
病気、それも原因不明となると深刻に受け止めがちですけど
でもシーソーでバランスを取るようにすればいいんだなーって
なんだか楽な気持ちになったのも良かったです(^^)。
なんと、ましろさんの担当のお医者さまが、柔軟なタイプでしたか。
なかなか貴重な存在なのでは!?
いい方向に向かってくれるといいですね♪

>sa-kiっち
レス、お待たせしちゃってごめんなさい。
ほんと、東洋医学と西洋医学を柔軟に組み合わせられるお医者さんがいればいいですよねえ。
兄は西洋医学、弟は東洋医学、みたいな分担方式の病院でもいいんだけど。(笑)
…でも西洋医学だけでも、勉強するのに何年もかかっちゃうし、それだけ時間をかけてたら
なかなか柔軟思考なんて持ってられないかもしれないですね。難しいなあ。

>彩水仙さん
「漢方小説」、実は2~3ヶ月前から図書館に予約を入れてたんですよー。
なかなか回ってこなくて、今頃になっちゃいました。
淡々としていながらユーモラスって、かなり自分の好きなパターンのような気がしてます。
彩水仙さんはどんな印象を受けられるかしら?

>Bryumさん
なんと、お友達のことをそれほどまでに心配されていたとは!
すごいなあ。そこまで親身になってくれる人ってなかなかいないのでは…
素晴らしいです、Bryumさん!
常にどこか抜けてる私にしたら、無条件で尊敬してしまいます…
あ、でも病気は困りますね。無事に治って良かったです(^^)。

漢方に関しては、うちの母が以前薬膳に凝ってたことがあるんで、
それほど不味いイメージはないんですけど、でも美味しいランチ、食べたい!
ぜひ行ってみたいです。ありがとうございます~。

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