「本格小説」上下 水村美苗

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実は丁度1年前の第4回たらいまわし「秋の夜長は長編小説!」 の時に、主催者だったちょろいもさんが挙げてらした本。(その時の記事はコチラ) それ以来ずっと気になってたんですが、ようやく読めましたー。や、父が買うっていうから楽しみに待ってたのに、かーなり待たされちゃって... って人のせいにしちゃいけませんね(^^;。
これは作者の水村美苗さんが天啓を受けて書き始めた小説、という体裁。なので、前置きがすごく長いんですけど、でもその前置きすら面白くて、本題に入ってからはさらに面白くて、本当に夢中になって一気読み。読みながら、「そうそう、こういう作品を読みたかったのよー!!」って感じでした。読みながらこんな風に嬉しくて堪らなくなった作品って久しぶりかも。
肝心の作品の中身といえば、「嵐が丘」を下敷きにしたという大河小説という言葉がぴったりの作品です。そしてこの本が読みたいと思ったのは、この「嵐が丘」によるところが大きいのです。最初は「いつになったら嵐が丘になるんだ?」だったんですが、でも読み終えてみると、確かに「嵐が丘」でした。日本を舞台にして、ここまで描ききってしまうなんて凄いです。戦前から戦後にかけての富裕な名家の3姉妹を中心にした華やかな生活やその斜陽ぶりもとてもリアルに描かれていて、まるで目の前にその情景を見ているようだったし、「嵐が丘」のヒースクリフに当たる彼の受ける差別や、彼自身の捨身で一途な恋心もとても切なくて... 少し古めかしい作風がまたとても良く合ってるんですね。しかも、1つの物語が終わってみると、そこにまた突然違った様相が...。
いやあ、ほんと最後までドキドキでした。こういう作品が読めるとほんと幸せになっちゃいます♪ (新潮社)


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恋愛小説というと最近は純愛もの癒し系などあまり読む気がしないものばかりなのですがこれはまさに大人が読む恋愛小説でした。当時の上流階級の暮らしぶりは知りませんが金持ち、上級身分=悪い人というようなステレオタイプではなくて人間的には理解しやすい人たちでした。
少しずつ少しずつ変わり行くもの、一方で変わらないもの。この物語の主人公は『時間』だったのではないでしょうか。

よっちゃんさん、はじめまして。
本当に大人にこそ相応しい恋愛小説でしたね。
当時の上流階級の暮らしぶりの描写もとても楽しかったです。あの傲慢な部分もリアルだったし。
主人公は時間… 確かにそうかもしれないですね。
私としては、「時代」と言いたい気もしますが…

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