「セシルの魔法の友だち」ポール・ギャリコ

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南フランスに住む8歳の女の子・セシルと、てんじくねずみのジャン=ピエールの4つの物語。
セシルとジャン=ピエールはまるで恋人同士のよう。一目合ったその日から、ってヤツですね。もうこの2人の心が通じ合ってる場面は、傍で見ててもドキドキしちゃうぐらい。でもそんな風に心が通じ合っている場面があるのは、1話目だけなんですよね。この1話目はとっても素敵なファンタジーなんですが、それ以降は、比較的普通の話になっちゃうんですよ。それがちょっと残念。まあ、普通とは言っても、世界中を旅することになってしまったり、サーカスに入ってしまったりとワクワクの冒険話なんですが。
そしてジャン=ピエールの視点が減った代わりに、ぐんと増えるのは大人たちの存在。セシルの両親やジャン=ピエールを巡って知り合う人々。セシルの両親を始めとして、ほんと良い人たちばっかりなんですが、4話目で登場するフィリポだけはかなり異色でびっくり。すごい大人の身勝手さを前面に出してきてます。「セシル、ちょっといい子すぎるよ...!」と、読んでいてちょっと辛かったんですが、それでも最後の展開には「ほっ」。あのままいくはずはないと思ったけど、心配しちゃったわ。...1話目が書かれてから4話目まで7年かけて執筆されてるそうなんですが、これはポール・ギャリコの意識の変化ではなく、セシルの年齢に作風を合わせてるってことなんでしょうね。きっと。
ちなみにてんじくねずみは英語で「guinea-pig」。原題で「Kidnapped(誘拐)」という単語が「Pignapped」と変えられているのも楽しいです。(福音館書店)


+既読のポール・ギャリコ作品の感想+
「トマシーナ」ポール・ギャリコ
「セシルの魔法の友だち」ポール・ギャリコ
「マチルダ ボクシング・カンガルーの冒険」ポール・ギャリコ
「われらが英雄スクラッフィ」ポール・ギャリコ
「幽霊が多すぎる」ポール・ギャリコ
「猫語の教科書」ポール・ギャリコ
「ハリスおばさんパリへ行く」「ハリスおばさんニューヨークへ行く」他2冊 ポール・ギャリコ
「七つの人形の恋物語」「スノーグース」ポール・ギャリコ
「トンデモネズミ大活躍」「ほんものの魔法使」ポール・ギャリコ
「ポセイドン」上下 ポール・ギャリコ
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「「きよしこの夜」が生まれた日」ポール・ギャリコ
Livreに「ジェニィ」の感想があります)

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 ポール・ギャリコの新刊?です。児童書です。表題からするとファンタジーっぽい感じですがそれは一話のみです。(同主人公の4話短編形式です)ストーリーテラーのギャリ... » Lire la suite

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