「秘密の花園」バーネット

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インドで生まれ育ったメアリは、いつも不機嫌そうな表情をした可愛くない少女。両親にまるで構ってもらえず、インド人の乳母に任されっ放しとなった結果、すっかり我儘娘に育っていました。しかし突然のコレラの流行によって両親は亡くなり、メアリはイギリスのヨークシャーに住む叔父に引き取られることに。叔父は最愛の妻を失って以来、何事にも無関心。広大な屋敷の部屋も、ほとんどが閉め切られ、かつて叔父の妻が丹精していた美しい庭も、10年間締め切られたままだったのです。

岩波少年文庫再読計画第12弾は、以前から再読したいなあと思っていた「秘密の花園」。この作品を書いたバーネット夫人は「小公子」「小公女」の方が有名で、「秘密の花園」は読んでないという方も多いようなんですが、でもこれもすっごくいい作品。この3作の中では、私はこの「秘密の花園」が一番好きかも。「小公子」も捨てがたいんだけど...(「小公女」だけは、私の中で少し落ちます(^^;)

主人公のメアリは、「小公子」のセドリックや「小公女」のセーラと違って、ものすごーくイヤな子。人に奉仕してもらうのが当然だと思い込んでるし、気に入らないことがあったらすぐ癇癪を起こすし... でもそれって、彼女の両親がまるで彼女に構ってあげなかったからなんですよね。父親は仕事が忙しく病気がちで、母親はパーティにしか興味がない人間。そんな人たちが子供なんて作るなッ...!と言いたくなっちゃいます。(大人になった今だからこその感想かしら) でもそんなメアリでも、ヨークシャーに来てからだんだんと変わり始めて、その成長物語が本当に清々しいんです。それにメアリが変わるにつれて、その影響が周囲にも出て、最終的には大人や屋敷全体も変えちゃう。実はとても大きな「生きる力」を描いた物語だったんですね。
子供の頃読んだ時は、広い屋敷の探検に憧れたし、ムーアや秘密の花園の情景にドキドキしたんですが、今回はむしろ人間の方に目がいきました。特に印象的だったのがディコン。ディコンのお姉さんでメイドのマーサの率直さも気持ちがいいし、マーサやディコンのお母さんの包み込むような愛情の暖かいこと... それほど出番は多くないのに、すっかり場を攫ってくれました。そして子供の頃に読んだ時ほどメアリが嫌な子に感じられなかったです。彼女なりにすごく必死なのが伝わってきて、読んでいて応援したくなっちゃいました。(岩波少年文庫)

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Commentaires(6)

四季さん、こんにちは。
この本は私も大人になってから読み返して、改めてすごく好きになった本です。(私のは新潮社文庫ですが。)おっしゃるように、子供の頃読んだ時は花園の造詣や、花の美しさとか、建物や屋敷内部のの様子等周りばかりが気になったものですが、大人の目で見ると、人間関係がとても力強く描かれていて、ほんわりと温かな気分になれます。自分的には気持ちに余裕がなくなってきたなあと思う時に読むようにしている本です。
やっぱりバーネットの中でも一番!の作品です。

四季さん、こんばんは☆
「秘密の花園」いいお話ですよね(^^)v
イギリスの荘園社会が細やかに描かれていますよね。ディコンの家族はあったかくてメアリの家族とは対照的。
でも実は、読書としては未読なんです・・・。あ、絵本になっているのは読みました(^^;)テレビっ子だった私は、NHKのアニメを見たのがこのお話との出会いでした。あれって何年前かしら?
その後、やはりNHKでBBC製作のテレビムービーを見ました。たしか、小公子もドラマ化されていて、どちらもとてもよかった記憶があります。四季さんはご覧になったことがありますか?
何はともあれ、これを機会にちゃんと読んでみたくなってしまいました(^^)

四季さん、こんばんは。
私も、「秘密の花園」大好きです。
あのふてくされた主人公がとっても魅力的です。
私は、子供の頃、本で読んで、大人になってからは、映画を見ました。
映画も、イギリスの自然がとても素晴らしく、荒れ果てた庭が美しく変わる所とか、ホントに印象的でした。
やはり主人公の女の子のぷぅっとしたふくれっつらが魅力的。
>小公子は、読んでて心が洗われてくるよう。素敵なセディ!!
お屋敷にやってくるということでは、秘密の花園の女の子と同じですが、二人とも全然タイプは違うけど、いとおしい。読んでて心が豊かになるような永遠の物語ですね。

>thousaさん
いいお話ですよね~。ほんと人間関係が力強く描かれているのが
今回再読して、すごく良く分かりました。
もちろん屋敷や花園も相変わらず魅力的だし、ワクワクするんですけど
子供の頃とはまた違った部分に目が行くというのが、自分でもちょっと嬉しかったりして。(笑)
子供の目と大人の目の両方で読めたっていうのは、なんだか嬉しくなりますね。

thousaさんは、何度も再読してらっしゃるんですね!
私も折に触れて読み返すことになりそうです。次回は新潮文庫で読んでみようかな。
やっぱり本当の名作は、いつ読んでも名作ですね(^^)。

>彩水仙さん
ああー、そういえばテレビアニメにもなってましたよね。
私は見てないんですが、母が毎回欠かさず見てたんですよ。(笑)
(その頃の私はテレビっ子だったんですが、アニメは見てなくて)
BBCのは見たことないです~。実写ですよね。それはぜひ見てみたかった!
また見る機会はあるかしら? 「秘密の花園」も「小公子」も見てみたいです。

彩水仙さんも、これを機会に本の方をぜひぜひ。
大人になってから読んでも、ほんと素敵な作品でした♪

>ワルツさん
ワルツさんもお好きだったんですね~(^^)。
あの主人公、いいですよね。ほんと何とも言えず魅力的!
子供の頃は、憎たらしい子だなあと思いながら読んでたと思うんですが、
今回はふくれっつらをしてても、可愛いくて可愛くて。(笑)

わあ、ワルツさんは映画もご覧になってらっしゃるんですね!
>映画も、イギリスの自然がとても素晴らしく、荒れ果てた庭が美しく変わる所とか、ホントに印象的でした。
映画も良かったんですね~。いいなあ、ヨークシャーのムーア、大好きです。
荒れ果てた庭が変貌する場面、ぜひ見てみたいです。

「小公子」のセディもいいですよね。私も「いとおしい」です。
「小公子」も「小公女」も、近いうちにまた再読しようと思ってます。

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