「沼地のある森を抜けて」梨木香歩

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叔母の死によって久美が引き取ることになったのは、家宝だというぬか床。これは元々は長女だった久美の母が世話していたもので、久美の両親が亡くなった時に叔母が引き取っていたのです。叔母のマンションに引っ越し、ぬか床の世話を始めた久美ですが、1週間ほどするとぬか床の中に卵のようなものができ、そのうちにそこから不思議な少年が生まれて...。

前作「ぐるりのこと」に書かれていた「境界線」に関する話を、物語にするとこうなるのだなというのが良く分かる作品。ぬか床みたいな所帯じみたモチーフからでも、こんな風にファンタジックな話が出来るんだというのがびっくりでした。しかもそこからどんどん発展して、話はすっかり壮大なスケールへと。...読み心地は良かったし、最後まで引き込まれて読んだんですけど、私としては、最初の路線のままでいって欲しかったなあというのが正直な感想。梨木さんとしては、ラストのあの展開こそが、描きたかった物語なんでしょうけれど。
あと、「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」というのが3回間に挟まれてるんですが、これはどう読めば良かったのでしょう。これはまるで異世界ファンタジー。久美の一族のルーツに深く関わっているのだろうということは分かるんですけど、一読しただけでは、今一つ明確に掴みきれなかったです。(新潮社)


+既読の梨木香歩作品の感想+
留守中に読んだ本(18冊)(「ぐるりのこと」の感想)
「沼地のある森を抜けて」梨木香歩
「水辺にて」梨木香歩
「ミケルの庭」「この庭に 黒いミンクの話」梨木香歩
Livreに、これ以前の全作品の感想があります。

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TITLE: 読書日記 沼地のある森を抜けて URL: http://slowfish.blog9.fc2.com/blog-entry-631.html IP: 64.125.250.27 BLOG NAME: den_en relax DATE: 11/09/2005 10:50:25 PM » Lire la suite

Commentaires(3)

四季さんに同感です。最初のままほんわかと終わりまでいってほしかったですね。
大きな世界に行かないでミクロな台所ファンタジーが魅力的だったと思います。
ミクロコスモスというのでしょうか。

はじめまして、「211冊」というサイトで書評を書いております井上と申します。トラックバックさせていただきました。

>uotaさん
uotaさんも、そう思われましたか!
そうですよね、やっぱりあの台所という空間が良かったですよね。
最初の2章はものすごく面白かったので、その後はちょっと残念でした。
あのまま展開したら、きっと好きな話になってたのになあ…


>井上さん
はじめまして! TBありがとうございます。
こちらからもさせていただきますね(^^)。

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