「さよならの空」朱川湊人

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近未来。深刻化していたオゾンホールの問題に対してテレサ・クライトン教授が発明したのは、ウェアジゾンという、大気中のフロン分子と結合してオゾンを破壊する力をなくす化学物質。このウェアジゾンを全世界に散布する計画が、国連によって推進されます。しかしこの物質には、思わぬ副産物がありました。夕焼けや朝焼けといった、空を赤くする光の波長まで散乱させてしまうのです。ウェアジゾンの効果は150年。ウェアジゾンを散布すると、地球から150年もの間、夕焼けや朝焼けが消えることになると分かり、混乱が巻き起こります。

今までのようなノスタルジックでちょっぴり怖い作品群とはがらりと変わったSF作品。環境問題が背景となっていますが、夕焼けというどこかノスタルジックなモチーフが絡んでいるのは朱川さんらしいですね。
国連の計画のために日本にやって来たテレサが知り合うことになる人々とのドラマの積み重ねはさすがに濃やかに描かれているし、オゾン層破壊という問題を取り上げたのはいいと思うんですけど、夕焼けを失うことに対してマスコミを始めとする人々が感情的になっているだけで、それ以上の掘り下げがなかったのがとても残念。最後の結末も、あらら、そう来ちゃいますか...!という感じ。肝心のイエスタデーという人物に関しても、イマイチ良く分からないままだったんですよねえ。うーん。でも読んだ後に改めて夕焼けを見ると、もしこれが見れなくなってしまったら... と、しみじみ考えちゃいました。(角川書店)


+既読の朱川湊人作品の感想+
「かたみ歌」朱川湊人
「さよならの空」朱川湊人
「花まんま」朱川湊人
Livreに「都市伝説セピア」「白い部屋で月の歌を」の感想があります)

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 二十世紀後半にオゾンの破壊を加速度的に進める物質:フロンが誕生した。テレサ・クライントンが発明したウェアジゾンはフロン分子と結合しオゾンを破壊する力をなくさせ... » Lire la suite

さよならの空発売元: 角川書店 価格: ¥ 1,575 発売日: 2005/03/29 売上ランキング: 61,629posted with Social... » Lire la suite

Commentaires(4)

こんばんは。この本、概要だけ読んでものすごく期待して読んだんですが、いい意味でも悪い意味でも朱川さんらしいというか、ラストは私もちょっと拍子抜けでした・・・。いきなりありがちな、今流行の?展開で・・・
でも、それでも温かくていい作品でした。夕焼けがなくなるってどんなだろう、確かに想像つきません。

ざれこさん、こんにちは。
そうそう、いい意味でも悪い意味でも朱川さんらしい作品ですね。
オゾンホールなんかをモチーフにして、こんな温かいSFを書けるというのもすごいし。
あのラストはあまり好きじゃなかったし、読んだ直後はイマイチだったんですが
でもね、読んでから時間が経っても色褪せないというか、夕焼けはますます鮮やかになってるような…。
そういうところも朱川さんらしかったんだなあって、今になって思います。

はじめまして。tamayuraxxと申します。
TBさせていただきました。
この作品は“オゾンホール対策の副作用で夕焼けが消える”という
設定が斬新でよかったのですが、ラストに少し違和感がありました。

それにしても四季さんは本当に沢山の本を読んでいらっしゃいますね。
わたしは現在の読書傾向はほぼ国内小説オンリーなので、
もっと色々なジャンルの本を読んでみたいと思います ^^

tamayuraxxさん、はじめまして。TBありがとうございます。
ラストには、やっぱり違和感がありましたか。そうですよねえ…
せっかくいい感じできたのに、惜しいなあって思っちゃいました。

あ、私も以前は国内小説オンリーだったんですよー。
特に国内ミステリを読み出した7~8年は、ほぼ100%国内小説でした。
翻訳の上手さに左右されることもないし、登場人物の名前も覚えやすいし
やっぱり日本人が書いた作品は読みやすいですよね。
でも海外作品にも、いいのがたくさんあるので!
面白いかな? とちょっと惹かれた作品にはぜひ手を取ってみて下さいね。

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