「受難」姫野カオルコ

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幼い頃から戒律厳しい修道院で育ち、出た後も清く正しい生活を送る彼女の渾名は「フランチェス子」。そのフランチェス子に、突然できものができます。最初は痣のようだったできものは徐々に盛り上がって人の顔のようになり、人面瘡へと変化。そして、ある日その人面瘡が話し始めたのです。どうやっても追い払えない人面瘡は、なんとフランチェス子の股間に移動。最初は取り乱すフランチェス子でしたが、いつしかうちとけてきて、その人面瘡を「古賀さん」と呼ぶように。

信兵衛の読書手帖の信兵衛さんに以前教えて頂いた本。最近、本を読む女。改訂版のざれこさんにも再プッシュされてたんですが...
うひゃひゃひゃひゃーっ、これは何なんですか! もう「フランチェス子」という名前からして笑わせてくれるですけど、その友達がアン子、ノン子、ウィズ美、モア代、オリ江、マルとクスの兄弟、朝志、読夫ですよ! しかも身体のどこかに人面瘡が出来るという話は時々ありますけど、なぜ股間に(^^;。フランチェス子はミロのビーナスを思い浮かべさせるような美女で、モデル経験もあるんですが、男性のその気を萎えさせてしまうという特殊体質。これまでもこれからも男性とつきあいそうにないので、どこに人面瘡が住み着いていても別段困るわけではないんですが... 純粋培養な育ちのはずなのに、なぜこんなに放送禁止用語に詳しいんですか! なぜそれを完璧に使いこなしてるんですか!(笑)
でもそれだけすごい表現が氾濫してる割には、全然いやらしくないんですよねえ... 不思議。
「古賀さん」は何かといえばフランチェス子のことをダメ女だって罵倒するし、フランチェス子は何を言われても素直に納得して反省しちゃう。何もそこまで素直に認めなくても... なんですが、「古賀さん」の言葉には確かに説得力があるんですよね。放送禁止用語や上辺の面白さにかまけて読んでいると、ふと深い言葉が飛び込んできて驚かされます。最初はフランチェス子も古賀さんもあまり好きじゃなかったのに、読んでるうちにだんだん可愛く見えてきて楽しかったです。
最後の展開には、結構度肝を抜かれます。この展開は私としてはあまり好みではなかったので、ちょっと残念だったんですが、でもこれだけの話を収拾させようとしたら、これで一番良かったのかもしれないですね。「ツ、イ、ラ、ク」と「桃」は万人にお薦めできるけど、この「受難」は恐る恐るお薦めする感じ... と、ざれこさんが仰ってたのも納得の作品です。(笑) (角川文庫)


+既読の姫野カオルコ作品の感想+
「桃」姫野カオルコ
「受難」姫野カオルコ
「変奏曲」姫野カオルコ
Livreに「ツ、イ、ラ、ク」の感想があります)

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何このハチャメチャな小説。 ギャグかと思いきやしんみりし、ラストが良い意味で有り得ない。 ある日、あなたの肉体に人面瘡ができたら、あなたはどうします... » Lire la suite

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Commentaires(2)

あーよかったです気に入っていただけて。お薦めして「なんだろうこれ」と思われたら即私の人格が疑われそうなこの書、なかなかお薦めしづらいのですよ(笑)その気持ちすらもわかっていただけてよかった。
ほんま、厳格に育ったわりには放送禁止用語に詳しすぎですよね(笑)それに友人の名前、モアとかウィズとか出てくるのには私も笑いました。嫌いなんだろうな、姫野さん、ああいう雑誌を読む女達・・

いやあ、楽しかったです。
姫野さんって、こういう作品を書かれる方だったんですねー。
「ツ、イ、ラ、ク」「桃」とはかなり雰囲気が違っていてびっくりしました。
でもほんと、お薦めする相手をちょっと考えちゃいますね。この放送禁止用語の羅列ぶりったら。(笑)
それでいて全然いやらしくないのが驚きですが!
確かに、モアとかウィズを読んで、それに振り回されてる女性は嫌いそうー。
でも、やけにサブカルチャーに詳しいのも可笑しかったですね。
鈴木保奈美のかなしみの表現が、嬉しい時の南果歩と一緒で、
それは躍っていない時の草刈民代 って辺りとか…(笑)

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