「フェティッシュ」西澤保彦

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完全な美の持ち主であるクルミと、そのクルミの美に取り付かれた人々の物語。今までにも西澤作品には、時々「フェチ」や「ジェンダー」といった要素がありましたけど、ここでとうとう1つの作品にまとまったという感じですね。「意匠」「異物」「献身」「聖餐」「殉教」という各章に分かれて、脚(タイツ)フェチや手フェチ、女装趣味など、怪しげな「フェチ」ぶりを見せる人々が登場します。
でも、もちろん知り合いの男性が女装趣味だと突然知らされたら、さすがの私もびっくりすると思うんですけど(笑)、そこまでいかなくても、人それぞれに何らかの嗜好ってあるものですよね。隠した方が無難なものも、隠す必要が全然ないものも。嗜好自体がどうこういうよりも、そういった嗜好がクルミという存在を通して、表面に露呈されてくるのが面白かったです。それまで影の存在でしか有り得なかったそれぞれの嗜好が、クルミによって解放されたというか。だからなのか、たとえそんな特殊な嗜好を持つ人間が殺されても、私にはあまり不幸には見えなかったんですが... そういう読み方って間違ってるかしら(^^;。
殺人はたびたび起きるんですが、ミステリというよりもむしろサイコホラー。クルミの「触れれば死ぬ」という特異体質についてもっと知りたかったんですけど、それに関してはあまりすっきりしないまま終わってしまったのがちょっと残念でした。あんまり突き詰めて考えないで、無条件に受け入れるべき部分だったんですね、きっと。(集英社)


+既読の西澤保彦作品の感想+
「方舟は冬の国へ」西澤保彦
「生贄を抱く夜」西澤保彦
「腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿」西澤保彦
「フェティッシュ」西澤保彦
「キス」西澤保彦
「春の魔法のおすそわけ」西澤保彦
「ソフトタッチ・オペレーション」西澤保彦
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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Commentaires(2)

四季さん、おはよーございます☆

ふふふ偶然ですねー、お互い同じ日に感想UPしていますね(笑)これは西澤さんらしい作品でしたよね。『腕貫探偵』が西澤さんにしてはちょっと淡白な感じだったので、本作は読み始めてすぐ『おおっ』て感じで期待してしまいました。とても万人受けする本ではないと思うんですけど、個人的には好きでした。ラストが何とも西澤さんって感じですね(^^ゞ

かなめさん、こんにちは!
同じ日というのが、なんだ嬉しいですよね。西澤ファンなら、今の時期にこの本を読む確率は結構高いかな?(笑)
あ、そうですね、「腕貫探偵」は確かにちょっと淡白な感じだったかもしれないですね。
中には結構濃いキャラクターが数人いたようなので、その人たちを中心にした続編が出たらもう少し濃くなりそうですが。(笑)
こちらの作品は、確かに万人受けはしないんでしょうねえ。でも引き込まれて一気読みしちゃいましたよ。
読ませてくれますよね。楽しかったです。

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