「朗読者」「逃げてゆく愛」ベルンハルト・シュリンク

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新潮クレストブックスから出ていた、ドイツ人作家・ベルンハルト・シュリンクの2冊。「朗読者」が長編で、「逃げてゆく愛」が短編。
いいですねえ。読み始めた途端に、なんだかしみじみと染み込んでくる感じでした。
予想もしてなかったのでびっくりだったんですが、「朗読者」にもナチの問題が登場するし、「逃げてゆく愛」でもドイツ人とユダヤ人、あるいはドイツが内包する政治的問題などを絡めて描いた作品が目につきます。戦争を体験した親世代、戦争を直接知らない子供世代。ごく個人的な存在でありながら、社会情勢の変化の影響を受けずにはいられない愛。ドイツ人とユダヤ人の恋愛の難しさなんかも考えさせられちゃいました。(直接的な戦争物は苦手な私なんですが、こういう作品なら読めるんですよね)
どちらが良かったかといえば、長編の「朗読者」なんですが、「逃げてゆく愛」に収められている「もう一人の男」も良かったです。これはナチは全然関係なくて、奥さんが亡くなった後に、奥さん宛てに知らない男から親しそうな手紙が来て... という話。残された2人が何を考えようと、奥さんの本当の気持ちはどうだったのか、もう誰にも分からないんですよねー。

今気がついたんですけど、この2冊、並べると表紙の雰囲気が似ててすごく綺麗ですね。やっぱりクレストブックスは装幀も素敵です♪ (「朗読者」は文庫の表紙を出してますが、若干フォントが違うだけで、バックの絵は一緒です)(新潮文庫・新潮クレストブックス)


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「朗読者」「逃げてゆく愛」ベルンハルト・シュリンク
「帰郷者」ベルンハルト・シュリンク

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Commentaires(8)

朗読者、いいですよねえ。
前半のあの雰囲気で、後半があんな展開になるのは
びっくりでしたが。
ハンナと“ぼく”が過ごしたフランス映画のような日々もいいし
ハンナが執拗なまでに自分のことを隠す切なさも
わかりますよねえ。
ただ、ウチの『朗読者』の記事には
よさがわからなかっという読者の方のコメントも(・∀・;)
感じ方は人、それぞれなんだなあと思いました。
だから、四季さんが「よかった」と書いていて
嬉しいです。
TBさせてくださいね♪

朗読者、ほんと良かったです!
作者がドイツ人、ぐらいしか事前の知識がなかったので(笑)
後半のあの展開には、ほんとびっくりしましたよー。
でもハンナのことが分って、前半部分がすとんと腑に落ちたって感じですね。
ほんと切ないですよねえ…
裁判での「わたしは… わたしが言いたいのは… あなただったら何をしましたか?」という台詞にもぐっときました。

本の感じ方は、本当に人それぞれですね。
でも一般的に良いと言われてる本の良さが掴めなかった時って(この場合、「面白い」じゃなくて「良い」ですね)
ものすごーくかなしいというか、淋しい気持ちになっちゃいます。
その良さを感じられなかった自分には、何が足りないんだろうって考えちゃったり。
だからこの作品がしみじみと響いてきてくれて、嬉しかったです。
いい作品ですよね!

四季さん、こんばんは。
私も「朗読者」、しっとりとして気に入ってます。
ラストにサプライズでしたが、前半に流れる空気が効果的で、余計に心に残るものとなりました。
クレスト文庫は、ホントに美しくて、ずっと持っていたい本ですね。でも、お値段がお高い(^_^;)くて・・・、つい図書館頼りになっちゃいます。(泣)
四季さんやLINさんの感想を読ませてもらって、もっかい読みたくてなってるんですが、手元に無いのがとっても残念。。うぅ

ワルツさん、こんにちはー。
ワルツさんも「朗読者」お好きなんですね!(嬉)
いいですよねえ、ほんとしっとりとした作品で。私もまたきっと読み返したくなるんだろうなあと思ってます。

クレストブックスの装幀は素敵ですよねえ。美しいし、重くないし。(これが意外と重要・笑) でも確かにお値段が…(^^ゞ
中身も粒揃いだし、本棚にずらっと並べたくなっちゃうんですけど、実際にはなかなか… です。(でも欲しいー)

四季さん☆こんばんは
ミヒャエルは、どんな気持ちで朗読のテープを作っていたんでしょうね。
考えれば考えるほど切なくなってしまいました。
あの結末はショックでしたけど、ハンナなりに考えぬいた結果だったのだと思います。
どちらも相手のことを深く愛し続けていたのでしょうね。

Rokoさん、こんにちは~。TBありがとうございます。
ほんと切ないですよね。ミヒャエルにとってもそうなんですが、ハンナにとっても…
でもきっとこれで精一杯だったんでしょうね。どちらにとっても。
余韻が残る作品ですね。

四季さん、こんばんは♪
オススメありがとうございました。
本当に良かった、これは。
今年の暫定第一位です。

基本的に感動的な作品が好きなんで読者にゆだねられてる部分を勝手に自分の思う方向に解釈して(笑)、最高の読書となりました。

映画公開が6月なんで本当に楽しみにしています。

トラキチさん、こんにちは~。
朗読者の感想、待ってましたよ!
10点だなんて、オススメした私が言うのも何ですがびっくり…
でもこの作品オススメしてよかったです。^^
今年の暫定第1位だなんてすごいですね。
さてこれから先どれだけ生き残れるかが見ものですね。(笑)
後ほどゆっくりお伺いします。

読む本がいっぱいになってきてなんだか大変そうですが
あとの2冊もぜひ読んでくださいね~。

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