「闇の左手」アーシュラ・K・ル・グイン

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1969年にヒューゴー賞とネビュラ賞を受賞したという作品。これはハイニッシュ・ユニバースと呼ばれるシリーズの4作目だったんですね。1冊ごとに独立した話ではあるようなんですが、元々SFはあまり得意ではないところに、良く分からない用語が沢山登場するし、説明もほとんどなくて、かなり苦戦しました... というか、挫折しなかったのが不思議なほど。読了後も解けない疑問がいっぱい! 巻末に「ゲセンの暦と時間」が載っていたのに気づいたのも読了後だし、地図とか用語辞典が欲しかったです。

舞台となるゲセンは常に雪と氷に覆われている惑星。ここに住むゲセン人は、外見的には人類と同じなんですが、両性具有で、26日周期でめぐってくるケメルと呼ばれる発情期にパートナーと性交して子供をもうけるのが特徴。主人公はそんな世界を訪れて、地球を含む、宇宙に存在する3000もの国家の同盟体の使節として、同盟を申し込むことになるんですが... でも相手は宇宙船はおろか、空を飛ぶ鳥すら見たことのない人々。しかも主人公は両性具有ではなくて男性。特に発情期が決まっているわけでもなく。外見こそ一緒ですが、両性具有の彼らから見たら薄気味悪い存在にしか見えないわけです。

ものすごーく苦戦したんですが、終盤の氷原の逃避行は良かったです。曲がりなりにも友情として確立しようとしていたものが、ケメルによって違うものに変貌しようとする一瞬なんてドキドキ。途中で挿入されたゲセンの民話や説話も面白かったし、SFが好きな人は大絶賛の作品なんだろうなあ。という私もせめてシリーズ1作目から読んでいれば... うーん、でもやっぱりSFはしばらくやめておいた方が無難かも...(^^:。(ハヤカワ文庫SF)


+既読のアーシュラ・K・ル=グウィン作品の感想+
「闇の左手」アーシュラ・K・ル・グイン
「ゲド戦記」アーシュラ・K・ル=グイン
「夜の言葉」アーシュラ・K・ル=グウィン

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 あまりの雑音のため、うっかりすると見逃しかねないところでしたが、ちゃんと自分の目で確かめてよかった。宮崎吾朗版『ゲド戦記』は、傑作ではないにせよ、読みどころが... » Lire la suite

Commentaires(7)

うわーうわーううう!<なにそれ(笑

いやね。。元SF小説マニアとしてはスルー出来ない小説
ですよ。これは。。有る意味、異種族間コミュニケーションの
傑作と言うか?今となっては古き良き時代のSFでも有ると…

でも確かにSFにディープインしていない人が、いきなり突入
するには、アレな部分が多い作品とも言えまして、小生も
過去に「SFなにそれ?」みたいな友人にこの本を薦めて読後に
「これはあっちの世界(※HGラモンとか(う))の話だね?」
とか言われて、違うと言う事を結局説明仕切れなかった記憶が..

と言う訳で、これからSFを?なんて姫にお勧めなのは、舞台は
宇宙だけど基本的にドラマみたなのが、入り安いと思う訳で
「ラリイ・ニーブンのリングワールドシリーズ」なんてSFと
しても成立してるし、かなりお勧めかもデス。。それに作者の
名前忘れたけど加藤直之氏の挿し絵が「萌え!」な「リムワールド
辺境宇宙シリーズ」なんて地球の海を宇宙に置き換えただけな
作品で、確かオージーの海好きなおじさんが作者で普通の人にも
かなり入りやすいアレだと思えるので、機会が有れば、また
チャレンジしてみては、いかがかと。。。(^^ゞ

ええーっ、師匠ってSF小説マニアだったんですか!
既に付き合いも結構長いはずなのに、全然知りませんでした…
銀英伝を読んでらっしゃるのは知ってたけど。(笑)

SF苦手とは言っても、好きな作品は色々とあるんですよ。
ハインラインの「夏への扉」も最高だし!
子供の頃に読んだ「フェッセンデンの宇宙」は、大人になってから読んでも良かったし。
アシモフの「鋼鉄都市」だって、すごく楽しめたんです。
梶尾真治さんの「地球はプレイン・ヨーグルト」も面白かったし。
でもねー、銀英伝は3冊読んだところで挫折…
どうも宇宙旅行の有無が決め手というわけではなさそうなんですよね。
ファンタジーは好きなのに、どこに決定的な違いがあるんだろう?!って思っちゃいます。

ラリイ・ニーブンのリングワールドシリーズですね… メモメモφ(.. )
リムワールド辺境宇宙シリーズは… ええと、良く分からないんですけど
A・バートラム・チャンドラーという人でしょうか? 「銀河辺境」という言葉が出てきました。
すぐにというわけにはいきませんが、また機会を作って挑戦してみたいと思いますー。

おお、流石に押さえる所は押さえてらっしゃる(笑

実は俺も子供のころに読んだ「宇宙船ビーグル号の冒険」と言う小説に妙に触発されて
からSF小説ばっかり読む人になってました。<もちろん子供向けのですが・・・
しかも、その小説が今日の俺と言う人間を作る礎に成っていたりするのはここだけの話。。

で、チャンドラーです。それそれ!基本的に地球の大航海時代を宇宙に当てはめたような
作品なんすけど、ドラマがメインなんで、楽しめるかと・・・ しかもこの作者が日本版の装填?
が好きで、早川のスタッフ?の婦女子が気に入り作中に同名の「セイコ」とか言うアンドロイド
を登場させたり、みたいな部分も結構楽しめました。

で、僕が一時SFに傾倒した理由は子供のころは空想癖が有ったのもそれだけど、イメージ
を文章から頭の中に作り安かったのが最大の理由かと。。。

それと僕が好きだった時代の早川の翻訳者とかが、やたらとノリのいい人達が多くて、
なんとなくジャズ的な雰囲気が業界そのものにあり、自分で小説書いちゃった訳者や
好きなSF小説の翻訳が出来なくて、その本のあとがきで文句と言うか恨み節みたいなのを
炸裂させたり(<同然訳者は別の人(爆))
とハチャメチャな部分も楽しめたり。。。

で、「フェッセンデンの宇宙」っすか。。。確か実験室で自分で宇宙のミニチュア作って
しまうマッドサイエンティストモノっすね!?あれは僕も子供のころに読んで色々と妄想
しましたデス。(ーー;)

考えてみれば、子供の頃の方が、抵抗なく色々と読んでたかも…
タイムスリップ物とか、結構好きだったし。
いつの間に苦手意識を持つようになったのか、自分でも分からないんですよねえ…
確かに最初に読んだハヤカワ文庫SFはハズレだったんですけど…。(爆)
なんとなーく手に取りづらいなーとは思っていたんですが
先日自分がSFが苦手だということに初めて気づいちゃって。(笑)
この「闇の左手」は、それに気づく前に買っていたのでありました。(わはは)

地球の大航海時代を宇宙に当てはめたって、なんだか面白そうですねえ。
ドラマがメインだったら大丈夫かな?
自分が何を苦手にしてるのか分からないのがタチが悪いんですけど
今度1冊読んで試してみることにしますね。

そうそう、それです!>フェッセンデンの宇宙
子供心にすっごく強烈だったんですよー。
自分のいるこの世界も、もしかしたら誰かの手に操られてる?とか考えちゃいますよね。
あのミニチュア宇宙、見てみたくてたまらなかったです。師匠も読んでらしたんですねー。

はじめまして。
私のブログで、映画『ゲド戦記』に関する記事を書きまして、その中でこちらの記事をご紹介させていただきました。
どうぞよろしくお願いします。
私は遠い昔にこれを読んだような気がしますが、残念ながらすっかり失念してしまいました。SFは苦手だと気づき、その後すっかり読むのをあきらめてしまいました。

umikarahajimaruさん、はじめまして。
ご紹介くださってありがとうございます。
「闇の左手」は、ものすごく評価の高い作品のようなんですが
私も読み始めてから、SFはあんまり得意じゃないことに気がついて…(^^;。
「ゲド戦記」は楽しく読めたのですが。
またそちらにもうかがわせていただきますね!

闇の左手2012/4に実際にル=グウィンさんとお会いになった実村さんによる
演出になります。宣伝すいません。

○2012/6/29,30(fri,sat)
(L,S room)アーシュラ・K・ル=グウィン原作『闇の左手』 
シアターユニット・サラ 


(昼の部)6/29,30
PM1:30開場
PM2:00開始

(夜の部)6/29
PM4:30開場
PM5:00開始

1500円(1drink in)

以下店主日記--------

アーシュラ(ウルスラ)・K・ル=グイン
※以下UKL
http://www.ursulakleguin.com/
日本ではゲド戦記で有名である。

現在喫茶茶会記では実村文率いるシアターユニット・サラ
http://www.unit-sala.asia/
によりUKLの作品を演じている。
その名は「闇の左手」アメリカではこちらの方が有名らしい。

実村文
http://www.meiji.ac.jp/hogaku/teacher/mimura.htm
が自ら原著作から脚本をお越し、英語版まで設えた。
本公演の許諾を得るために英語版をUKLに確認したところ
高い評価を得て実村文さんは茶会記3月末にアメリカのUKLの許
へ旅することになっている。

原作は分厚い本なのだけど70分に収まる劇に仕立てられた。
朗読劇に近いのだけどすべて台詞。膨大な量になる。
主演の宮崎稲穂さん
http://talent.showbiz.jp/detail.html?id=2573
によると茶会記の小さな舞台に来て
役に入りこむことによって台詞が喚起されるという。
ご自宅で思い出してもなかなか思い出せないそうだ。
「この演劇を終えたとき、旅をしてきた気分になります」宮崎さんは言う。
宮崎さんもまた主人公と同じ切実な旅をしているのではないか。
そのようなことを考えるとますます魅力のある劇になる。
舞台美術は質素だが、人形を使い存分に状況を想起することが可能。
ちなみにわたし以上に読者の方が詳しいと思うが
日本の映画・ゲド戦記はUKLにとっても評判が悪い
ゲド戦記=UKLと誤解されがちであるがそうではない
著作から入っている方であれば無論このような誤解はないのだが。

とはいえ映画ゲド戦記やその監督を全面否定して収めてしまうような
状況も問題である旨も
活動弁士片岡一郎さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%87%E5%B2%A1%E4%B8%80%E9%83%8E
からもきいている。

映画ゲド戦記のきっかけで、本質的なUKLの魅力へつながれば
なによりだと思う。本会もUKL公認は先に述べた通り自明だが
見事にその魅力が凝縮されたショートピースだと思っている。

3/11,4/29 は音楽家でUKLも熟読されていている
蝦子健太郎氏
http://www.geocities.jp/ebikokentaro/
が観劇され
たまたま喫茶室にいらっしゃった
茶会記でも活躍されている
益子博之さん
http://com-post.jp/
と挨拶されていた。

この劇を通じてさらなる繋がりをもとめている。

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