「変奏曲」姫野カオルコ
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姫野さんの幻のデビュー文庫本「チゴイネルワイゼン」を改題したという作品。洋子と高志という双子の姉弟を中心に、「桜の章」「ライラックの章」「柘榴の章」「羊歯の章」という4つの章に分けて、平成・大正・戦後・未来という4つの時代を背景に綴った恋愛小説。
4つの章で常に中心となるのは洋子と高志で、この双子の姉弟の禁断の愛の物語。エロティックです。しかも常に姉が強いから、尚更妖しい感じが~。そしてこの2人以外の登場人物、洋子の婚約者や高志の相手、友人、仲人なども名前が共通してるし、それぞれの基本的な容貌や性格、嗜好も類似してるみたい。平成の洋子が画材店に勤めていれば、大正や戦後の洋子は絵を描くのを習っているといった具合。でも少しずつずれているので、だんだん「書かれている部分」よりも「書かれていない部分」が気になってくるんですよね。その辺りが面白かったです。1章で話の中に出てくる仲人も池井という人なのかしら... とか。そして全て読み終えてみると、最初の「桜の章」だけがちょっぴり異例な設定だったことに気づきました。「桜の章」のその後が気になるなあ。でも「羊歯の章」はなくても良かったかな。最初の3章だけで良かったのに。(角川文庫)
+既読の姫野カオルコ作品の感想+
「桃」姫野カオルコ
「受難」姫野カオルコ
「変奏曲」姫野カオルコ
(Livreに「ツ、イ、ラ、ク」の感想があります)
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