「お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き」「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」吉野朔実

Catégories: /

  [amazon] [amazon]
以前書店で見かけて気になってたんですけど、私、吉野朔実さんのストーリー漫画を読んだことがないんですよね...。でもくるくる日記のkyokyomさんが読んでらして、やっぱり楽しそうなので読んでみました。「本の雑誌」に連載されていた書評漫画「吉野朔実劇場」が本にまとめられたもので、漫画だけでなく、沢田康彦さん、穂村弘さん、北上次郎さん、柴田元幸さんとの対談も収められています。

ええと、確かに書評といえば書評なんですけど、むしろ吉野朔実さんご自身や周囲の人々の本にまつわるエピソード集といった方が正しいかも。ご家族とのエピソードも面白いです。そしてこの読書の幅の広さが素晴らしい~。誰もが知っている有名な本やベストセラー本に混ざって、料理の本や病気の本、図鑑なども混ざっているのがまた楽しいところです。エピソードとしての面白さから言えば、「お父さんは時代小説が大好き」の方が上だったと思うんですけど(お友達との本のやり取りとか、「羊たちの沈黙」が3冊も集まってしまったエピソードとか)、「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」の方が頷けるような部分が多かったかな? 特に「いつも本が入っている」の章は、そのまま私に当てはまるので...! という私も、どんなに近所への外出の時でも鞄に本がないと不安だし、出先で上巻を読み終わってしまって、2冊目の下巻を買ってしまったこと、もちろんありますとも...(^^;。

「お父さんは時代小説が大好き」を読んでいて私も読みたくなったのは、斉須政雄「十皿の料理」、レオ・レオーニ「平行植物」、オリバー・サックス「妻を帽子とまちがえた男」、そして吉野朔実さんが子供の時に読みたかったというカート・ヴォネガットJr.の「猫のゆりかご」。(「飛ぶ教室」と一緒に挙げられてるとあれば、そりゃ読まなくちゃならないでしょう)
「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」では、やっぱりポール・オースターでしょうね。「つまらなくもないけど...」 と、新作が出るたびになんとなく買ってしまう気持ち、すごく分かります。吉野朔実さんの場合は、映画「スモーク」や「ブルー・イン・ザ・フェイス」を観てから本格的にファンになって、「偶然の音楽」を読んでから「幽霊たち」を再読すると、初回に比べてすごく面白く読めたのだそう。「どの作品もディテールには好きなところがあって、いつも気持ちはすんなり入れて楽しくはあったのですが、それだけで好きと言えなかったのは何故でしょう???」というのは、私にもそのまま当てはまる言葉。私も今度未読の「偶然の音楽」を読んでみようと思いますー。(角川文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き」「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」吉野朔実
「弟の家には本棚がない」「本を読む兄、読まぬ兄」吉野朔実
「犬は本よりも電信柱が好き」吉野朔実

| | commentaire(10) | trackback(2)

Trackbacks(2)

「お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き」「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」吉野朔実 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

吉野 朔実 「お母さんは「赤毛のアン」が大好き (角川文庫) 」 柴田元幸さんの「つまみぐい文学食堂 」を読んでた時に、気になった吉野朔美さんの... » Lire la suite

? 吉野 朔実 「お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き (角川文庫) ?」 「お母さんは「赤毛のアン」が大好き」 が一作目ではなく、この「... » Lire la suite

Commentaires(10)

わ~!
吉野さん、大好きな漫画家さんです。
ストーリーは、痛い作品が多かったりしますが、やさしく鋭い目線と、何より絵が好き。
こちらのシリーズも、もちろん好きです。
大変、参考にさせてもらってます。
あと、少し違いますが、吉野朔美劇場シリーズで、「弟の家には本棚がない」と「犬は本よりも電信柱が好き」も好きです。
エッセイによくでてらっしゃる精神科のお医者さんとのやりとりも楽しいですよね。

四季さん、こんにちは。
僕もどちらかというと「お父さんは時代小説が好き」の方が面白かった記憶があります。
吉野朔美さんと同じような体験されているとはさすがは四季さんですね。出先で二冊目の下巻を購入してしまったという部分はちょっとおかしくて笑ってしまいました。まったく、読書家という人種は面白い人達だなあと可笑しさ半分、羨ましさ半分という気持ちで思わずにやにやしてしまいました。
ひとつ気になるのは読書家の方はモノとしての本にも愛着があるのだろうか?ということです。たとえば四季さんがご自分の本棚を眺めてそれだけでもうウットリとしてしまうことがあるのかなあということがちょっと気になります。僕は大した冊数ではありませんが、たまに本棚を見て嬉しくなります。でも、これ読まないといけないんだよなあと思うとちょっとウツに(笑)積読本ばっかりです。

>picoさん
わ、picoさんは吉野朔美さんお好きなんですね~。
私はなんだか読む機会がないまま来てしまったんですけど
この2冊がすごく楽しかったし、絵も好みなので、ストーリー漫画も読んでみたくなりましたよ。
「弟の家には本棚がない」と「犬は本よりも電信柱が好き」も読みたいな。
じきに文庫になるかしら…? なんて期待してる私ですが、まだまだ先の話かしら…
この文庫の表紙も可愛いので、そのテイストで揃えたいんですよね。(^^ゞ
あ、精神分析医の先生も楽しいですね!
ロールシャッハのとことか面白かったです~。

>kyokyomさん
そうですよね~、笑われちゃいますよね~。>2冊目の下巻
上下巻とかシリーズ物を読んでる時は大抵、いつもよりも気をつけて本を持ち歩くんですけど
何も考えずに上巻しか持たずに出てしまったりすると、読み進めるにつれてドキドキ…
だからといって読むのをやめられるわけでもなく、話に乗ってると読むスピードを緩められるわけでもなく…(笑)
あんまり読む時間が取れなかった時は、逆にちょっとほっとしたり。(爆)
あ、本棚、うっとりしますよ~。見た目重視で文庫は出版社別に並べてるので、ちょっと壮観ですし
ハードカバーのお気に入りの本ばかり集めた本棚でもうっとりします♪
って、もうこれは完璧にビョーキ?!…いやいや、お恥ずかしいです。

あ、私の場合は、読み終えた本しか本棚に並べてないので、積読本は全部ダンボール箱の中なんです。
溜まって溢れ出しそうになるとウツになるので、せっせと読むことに~。(^^ゞ

偶然にも四季さんの今のトップも吉野朔美さんですが(と、勝手にシンクロニシティを
感じて嬉しくなっています。笑)、私も吉野さん読みました!
いやー、面白かったです。
そして、嬉しかったのが、いまひとつ掴めないポール・オースターの傾向と対策(でもないけど)。
四季さんは、その後、ポール・オースターは如何ですか?
*「赤毛のアン」の方、トラバしました♪

おお~、読まれたのですね♪
そうなんですよ。「犬は本より~」を読んだところなんです。なんてナイスタイミング!
楽しまれたようで良かったです。普段図書館を利用してらっしゃる方に「文庫本もあるし」なんて言っちゃって
それって勇気があるというよりむしろ無謀だったかも… なんて、ちょっと反省してたので。(笑)

ポール・オースターに関しては、もう本当に私にとっては謎の存在のままです…
「シティ・オヴ・グラス」と「幽霊たち」は不思議な存在の最たるもので、
それに比べて「ムーン・パレス」は面白かったんですけど、ポール・オースターらしくないような気も。
「偶然の音楽」は、未だに読んでませーん。(きゃああ)
あ、でも「ミスター・ヴァーティゴ」は手元にあるので、近々読みますね~。^^

いえいえ、お勧めありがとうございました。<文庫
スペースの問題で、あまり本を増やしたくない思いが強いので、ついつい
図書館に頼ってしまうのですが、これは持ってても楽しいです♪

「平行植物」のこと、ここにも書いてありましたねえ。
オリヴァー・サックスは、「火星の人類学者」を読みました。
たぶん、「妻を~」とほぼ同じような構成の本だと思うのですが、常人とは
異なる世界に生きる人たちの世界が興味深かったです。

ポール・オースターはむつかしいですね。笑
どこに真実の姿があるのでしょうか。笑

そう言っていただけて、良かったです~。
漫画でも本の話がぎっしり詰まってるから、案外お得感はありますよね。(笑)
ここで吉野朔実さんのストーリー漫画も、合わせて読んでみたいところなんですが、なかなか…
あ、ご本人が松苗あけみさんの影響を受けてると仰ってるそうですよー。
だからつなさんの感覚は正しいのです♪ (という私も、実はなぜか似たようなイメージを持ってました!)

ポール・オースターに関しては、入り方を間違えたような気がします、私。
「幽霊たち」から入ったのが、どう考えても無謀でした…!
ということで、この作品はぜひつなさんに読んでいただきたいですわ~。
読んでどう感じられたか、ぜひともお聞きしたいところです。
エッセイの後にでも… そして「偶然の音楽」よりも前に(これが肝心・笑)いかがですか~?

うんうん、お得感がありました♪
おっと、四季さんも吉野さんのストーリー漫画の方は読まれてないのですね。
…ちょっと匂いが苦手な気も。笑
本関連の話はすっごく面白かったですけど。

お、吉野さんって松苗さんの影響を受けてらっしゃるのですか。
わー、長年の疑問(笑)が解けて、うれしいです。

「幽霊たち」は大変なのですね。笑
探偵ってことは、「お母さんは~」で描かれていた、「オースターたち」がそれなのかしら?
了解です!
エッセイ読んだ後は、「幽霊たち」に行ってみます♪
オースターの、ここで話している本が、図書館に全部あることを確認しました。笑
とはいえ、たぶん、ちょっと先の事になっちゃうと思うのですけど。

探偵もので信頼出来ない語り手と言えば、カズオ・イシグロの「わたしたちが孤児だったころ」も印象的です。
(と思ったら、四季さんも読まれていたのですね!)
オースターのは、「信頼できない語り手」とはまた違うのでしょうか?
(カズオ・イシグロと言えば、「わたしを離さないで」がすっごく良かったですよー。母には、「日の名残り」の方が良いと言われましたが…)

そうなんですよー。ストーリー漫画は読んでないんです。
絵の雰囲気は好きなんですけどねえ。
つなさんとこに、メンタル系って書かれてましたよね。
その「メンタル系」というのが、実はイマイチ掴めないんですが(笑)
その後、双子が出てくる話が多いと聞いて、なんとなく分かるような気もしてきたり…(本当か?)

そして「幽霊たち」は、それです、それそれ。>「オースターたち」
あのさわりの部分が、まさに「幽霊たち」なんですよ。
文庫で150ページもないぐらいの作品なんですけどね。
まあ、今読み返したら、案外すんなり読めるのかもしれませんが~。(笑)
オースター初期の作品だということもあって、これが私にとってはデフォルトなオースターなんです。
あ、今「お母さんは~」を読み返してみたら、
吉野朔実さんにとっての初オースターも、「幽霊たち」だったようですね♪

カズオ・イシグロはいいですよね。
「わたしを離さないで」、良かったですか。じゃあぜひ読んでみます。
あ、でもカズオ・イシグロの信頼できない語り手とは、またちょーっと違うんですよ。>「幽霊たち」

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.