「謎は解ける方が魅力的」有栖川有栖

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先日有栖川さんのサイン会に行ってきました。これはその時のエッセイ本。映画とミステリーと阪神タイガース(笑)について、様々な媒体に書かれた文章を集めた本です。
色々頷ける部分があったんですけど、その中で一番同意したくなったのは、最近のハリウッド映画がつまらなくなったという話。映像技術は進歩してるけど、脚本がいい加減になっている、「『大脱走』や『ポセイドン・アドベンチャー』のビデオを観て勉強してもらいたい」という部分には、思わず深く頷いてしまいました。「ポセイドン・アドベンチャー」もいい映画ですけど、それより「大脱走」ですよ。大好き! あのテーマ曲を聞くだけで場面が蘇ってきちゃいます。主役のスティーブ・マックイーンはもちろん、脇も味のある役者さんが固めてて(チャールズ・ブロンソンが渋くて好きでした)、それ以上に話が良かったんですよね。初めて観たのは中学の時で、テレビの洋画劇場だったんですけど(笑)、もう手に汗握って観てました。今の映画にはあまりそそられないけど、古いハリウッド映画ってほんと好きです。あと、「洋画のタイトルから格調が失われて久しい」という話は、私もずっと同じことを思ってました。何でもかんでも、英題そのままのカタカナの題名にしなくてもねえ。以前、昔の洋画の邦題名を決める時の話を聞いたことがあるんですが(誰だったか忘れたんですけど、淀川長治氏や水野晴夫氏のような映画人だったような気が)、その頃はぴったりの邦題を決めるのに結構苦労して、でもその甲斐あって「巴里祭」や「俺たちに明日はない」みたいな素晴らしい邦題が生まれたって言ってたんですよね。こういう伝統(?)が失われちゃったのって、ほんと勿体ないと思います。今もやってくれればいいのに。
ミステリ関連では、これは映画の部分に書かれていたんですけど、ミステリの探偵たちの話も面白かったです。例えばホームズは、化学や地質学に精通してる割に文学や哲学についてはまるで無知だし、地動説も知らないという偏りよう、しかもコカインの愛飲者。でもミステリ作品の中には、ホームズ以上に近寄りたくないような奇人変人がうようよしてるという話。身体的に色んなハンディキャップを持つ名探偵も多いけれど、それは物語を盛り上げる効用だけでなくて、「人間はパーフェクトなものを信じないから」、「過剰な推理能力と交換されるべき欠落」ではないだろうかという話。まあ、時にはスーパーマンみたいな名探偵もいますけど、基本的に人間臭い方が魅力的ですね... それにもしスーパーマン探偵だったら、事件が始まった途端に解決できるはずだから、話が続かないですね。(笑)
その他にも、思わず笑ってしまうような部分が色々と。私はタイガースには興味ないんだけど、タイガースファンを見てるのは好きなので、その部分も意外と楽しめました。有栖川さんのエッセイは、やっぱり好き。文章を読んでいても口調が感じられるし、同じ生活圏だということもあって、いたずらの共犯者めいた楽しさもあるんですよね。(というのは、ご本人には心外かも...)(講談社)

ちなみに火村シリーズの長編が6月に新潮社から出るのだそう。秋には... という話だった学生編は、ちょっと怪しげかな?? 出るといいですねえ。

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