「夜聖の少年」浅暮三文

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遺伝子組み換えによって、全ての暴力への衝動が抑制されている光の世界。ここでは人は生まれ落ちた時に抑制遺伝子を埋め込まれ、身体と心が大人になり安定して体液が発光すると、"木曜日の儀式"を受けて「聖遺伝者」の仲間入りをします。しかしそんな光の世界にも、暴力は僅かながらに存在していました。それは土竜(もぐら)と呼ばれる、"木曜日の儀式"から零れ落ちた少年たち。そしてそれらの土竜を排除しようとする炎人たち...。

未来の地球を舞台にしたSF作品。でもSF的な設定ではあるけれど、どちらかといえば土竜のカオルという少年の成長物語。遺伝子操作によって理想的な人間、そして理想的な社会が作り出され、でもそこには実は落とし穴が... というのはどこかで見たような設定なんですけど、この世界観は個性的だし、ミトラと名付けられることになる不思議な「神」やその謎なんかは面白かったです。でも、もうちょっと書き込んで欲しかったですね。最初は「うすのろ」と呼ばれていたカオルが、いつの間にか中心で行動するような人間になってるんですけど、何がカオルを成長させたのか、今ひとつ伝わってこないんです。土竜のチームのリーダーの少年のカオルに対する言動も、今ひとつ解せなかったし...。どうやらみんな「うすのろ」と言いながらも、カオルのことを妙に信頼してたみたいなんですけど、どこがそんなに信頼させていたのか良く分からなくて。
未来の地球の姿が、ちょっとナウシカのようなラピュタのような感じで、宮崎駿映画にすると良さそうな物語でした。と思ったら、丁度徳間から出てるし! そんな話にはならなかったのかしら?(徳間デュアル文庫)


+既読の浅暮三文作品の感想+
「ラストホープ」浅暮三文
「嘘猫」浅暮三文
「実験小説 ぬ」「石の中の蜘蛛」浅暮三文
「夜聖の少年」浅暮三文
Livreに「ダブ(エ)ストン街道」の感想があります)

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