「地下鉄のザジ」「文体練習」レーモン・クノー

Catégories: /

  [amazon] [amazon]
昨日に引き続きフランス本。先日のたらいまわし企画「教えてください!あなたのフランス本」でpicoさんが出してらした「地下鉄のザジ」(記事)と、その前にLINさんに教えて頂いていた「文体練習」というレーモン・クノーの2冊。

「地下鉄のザジ」は、初めてパリにやって来た少女ザジが、念願の地下鉄がスト中で乗れずにガッカリ、一悶着起こして... というドタバタコメディ。このザジの口癖が「けつ喰らえ」ということもあって、とっても猥雑な雰囲気だし、他の登場人物たちも一筋縄ではいかない人物ばかり。(というか、最初から最後まで変わらないのって、ザジだけなんですね) ドタバタな展開に翻弄されながら、1950年代のパリの街の雰囲気が堪能できました~。まだまだ戦後間もない、慌しくて、粗雑で、でも生活力に満ちた空気。ザジが行く蚤の市や、実際に東洋の観光客を引き連れてのサント・シャペル寺院やエッフェル塔、サクレクール寺院など、ちょっとした観光気分も味わえます。「(身振り)」「沈黙」などの戯曲のト書きのような表現も楽しいし、言葉遊びも。表紙のイラストがすごく可愛いんですが、この絵が挿絵にも登場。話す人によってフォントが違うという凝り様です♪ ただ、翻訳の文章で気になるところが... 例えば鸚鵡の台詞は元々どんな文章なのかしら? 原語で読んだら、全体的にもっとリズム感がありそうな予感。

「文体練習」の方は、"混雑したバスの中で見かけた首の長い青年が、隣の乗客に喧嘩をふっかけてると思ったら、空いた座席にすかさず座り、2時間後にまた見かけると、連れの男性に何やら服装のアドバイスをされていた" という趣旨の文章を、「メモ」「複式記述」「控え目に」「隠喩を用いて」「遡行」「びっくり」「夢」「予言」などなど、99通りの書き方で表現している本。いやー、これは面白い! 読みながら、もう何度も笑っちゃいました。文章って、本当はただの文字の順列組み合わせのはずなのに、こんなに表現力があるものなんですね。同じ情景を描写しながらも、そこに見えてくるのは99通りの違う情景。シンプルだけど、ものすご~く粋です♪
でも訳者の方は大変だったでしょうね。解説によると、原書の「ギリシャ語法」は枕草子風の「古典的」に、「イタリアなまり」は「いんちき関西弁」に、「ラテン語もどき」は「ちんぷん漢文」にしたとのこと。ここまできたら、レーモン・クノーだけでなくて、役者の朝比奈弘さんの作品とも言えそうです。そして私のお気に入りは、「荘重体」「歌の調べ」「ちんぷん漢文」。様々な文体で書かれてるので、フランス語を学ぶ外国人の教科書として使われることもあるのだそうです。ほんとこれはぜひ原文を読んでみたい~。装幀もとても美しい、非常に凝った本なので、ちょっと高いけど買う価値アリです!(こういうのが好きな方は、ね) (中公文庫・朝日出版社)

| | commentaire(4) | trackback(1)

Trackbacks(1)

「地下鉄のザジ」「文体練習」レーモン・クノー へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

  おはようございます。山ちゃんです。  先日亡くなられた栗本薫さんの原作アニメ » Lire la suite

Commentaires(4)

ども、ごぶさたです。
私の好みは、幾何学と集合論。
て、文体と違うけど(笑)

おお~、いまむるさん、お久しぶりです。
さすが、既に読んでらしたんですねっ。
あ、私は「紙魚の手帳」のあの本、いまむるさんとこを見て思わず買ってしまいましたよ~。
って随分前の話なんですが。てか、そちらに書け!ですね(^^;。
そして先日、子供の頃から持ってる本をふと開いたら、そこにはなんと蔵書票もどきが!
…いや、あくまでも「もどき」なんですけど。(笑)

久しぶりにお会いしたいですわ~。
4月になったら少し落ち着くと思うので、よろしければぜひぜひ。

うっわぁーい!わたくしもお会いしたいです。
私はいつもヒマです。楽しみ楽しみ~♪落ち着かれるのをお待ちしとります。

子供の頃に蔵書票作成ですとぉ?スゴイ。もどき上等!
「紙魚の手帳」買われましたか!?なんかね、あの本私20冊は売ってます多分(笑)
いつの間にか、編集された方も部員様ですよ。ネットってすごいですわ。

わ~いわーい! じゃあ、4月以降に、ということで。
他のみなさんは、どうしてらっしゃるのかしら。
詠子さんとも2~3年お会いしてない気がしますわ。

や、蔵書票はもどきです、もどき。(笑)
でも、子供の頃からそういうのが好きだったのか!ってびっくりしました。
いや、子供の頃の方が逆に色々やってみてたのかも…(今ってダメダメ)
なんと、あの本を編集された方も部員になってらっしゃるんですか!
そ、それはすごい… さすがいまむるさんです。
や、私ってば、すっかり幽霊部員になっててすみません…(陳謝)

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.