「灰色の輝ける贈り物」アリステア・マクラウド

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アリステア・マクラウド自身が生まれ育ったというカナダのケープ・ブレトンが舞台となった短編集。このマクラウドは、初めての長編が発表されるまでの31年間、わずか16作の短編しか発表しなかったという寡作な作家なのだそうです。
ケープ・ブレトンは、「赤毛のアン」のプリンス・エドワード島の東隣にあるそうなので、自然環境という意味では「赤毛のアン」とそれほど変わらないんじゃないかと思うんですが、「赤毛のアン」からは想像がつかないほどの厳しい自然が描かれていてびっくり。人間を拒否しているとしか思えないほど厳しいです。これを読むと、「赤毛のアン」が夢物語のような気がしてきちゃうぐらい。そしてそんな土地に根ざして生きている祖父母や両親たちの逞しい生活力と、そんな彼らの姿を冷静に見つめる子供たちの目が対照的。親たちがどれだけ必死に生活していようとも、時代は確実に移り変わっていくんですねえ。今はまだ、かつて住んでいたスコットランドや、そこから追われるようにして出てきた記憶が色濃く残ってるけど、それもすぐに今の生々しさを失ってしまうんでしょうね。
炭坑夫の息子として育ち、子供の頃から勉強や読書が好きだったというマクラウドは、最初の作品「船」の「私」のような存在だったのかな? この8編の中で特に好きなのは、「ランキンズ岬への道」。表題作の「灰色の輝ける贈り物」も良かったです。(新潮クレストブックス)


+既読のアリステア・マクラウド作品の感想+
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