「バビロンの王女・アマベッドの手紙」ヴォルテール

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18世紀のフランスの啓蒙思想家ヴォルテールの作品。1冊に「バビロンの王女」と「アマベッドの手紙」が収められています。
でも、啓蒙思想家とは言っても別に小難しい作品じゃなくて、特に「バビロンの王女」の方は、「千夜一夜物語」の中でシェエラザードが語りそうな物語。前半は、バビロンの世にも美しいお姫さまと結婚するために、エジプトの国王、インドの帝、スキチヤの太守、そして羊飼いという4人の男性がやって来て力比べだの技比べだのする話。そして後半は、恋に落ちたお姫さまと羊飼いの間に行き違いがあって、お姫さまは彼を追って世界中を旅して回る話。中国からシベリア、ロシア、スカンジナヴィア、ポーランド、オランダ、イギリス、イタリア、フランス... その場面場面で当時の世界諸国の政治や社会、風俗なんかを考察してて、時には批判的だったりするんですけど、でもそれほど痛烈でもないし、むしろこれは当時のことが色々と分かる楽しい漫遊記として読んでしまってもいいような気がします。
でも「アマベッドの手紙」の方は、キリスト教に対する痛烈な批判。ヨーロッパから来たキリスト教宣教師と共に船出してインドからヨーロッパに向かったアマベッドとその妻アダテが、この宣教師に騙されて酷い仕打ちを受けることになる話。非キリスト教のインド人夫婦のめを通してみたキリスト教の姿があからさまに書かれていて、ちょっとびっくり。でもこういう宣教師って結構多かったんだろうなあって思っちゃいました。キリスト教世界を広げようと焦るあまりに、あるいは自分たちの富を蓄えることに気を取られて、大切なはずの教えを見失った人々の姿が浅ましいです。これはローマ法廷によって発売禁止の宣告を受けた作品とのこと。

結構読みやすくて面白かったんだけど、ヴォルテールという人物はあまり見えてこなかったかな...。今度は「カンディード」を読んでみようかしら。あと、この時代は異国に対して興味が強かったようで、「バビロンの王女」のような異国情緒たっぷりな作品が色々あるようなんですよね。そういうの大好き。モンテスキューの「ペルシア人の手紙」も読んでみたい作品です。でも絶版みたいで残念。(岩波文庫)


+既読のヴォルテール作品の感想+
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「カンディード」ヴォルテール

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