「氷の覇者」「水の誘い」「風の勇士」パトリシア・ライトソン

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ウィラン・サーガ全3巻。オーストラリアの原住民・アボリジニの青年を主人公にしたファンタジーです。
オーストラリアのファンタジーとは珍しいですね。もしかしたら私、ファンタジーに限らず、オーストラリアを舞台にした小説を読むのって初めてかもしれません。そういえばオーストラリア出身の作家さんというのも全然知らないし。
オーストラリアといえば南半球。当たり前のことなんですが、北半球とはまるで逆なんですよね。私が生まれ育った日本は北半球の国だし、読んでる本もほとんど北半球の人間によって書かれた本ばかり。「北国」と聞けば反射的に「寒い」と思うし、「春」と聞けば、まず4月や5月頃を思い浮かべてしまうので、最初は少し戸惑いました。南に向かう旅が「どんどん寒くなる」と書いてあってもピンと来ないし、10月末が夏だっていうのにも、「...えっ?」状態。確かに半年ずらすと4月末。うちの辺りではそろそろ半袖を着始めたりしますけど... でも夏って言うには早いですよねえ。なんて未だに思っちゃう部分はあるんですが、馴れてしまえば大丈夫。アボリジニの伝承に伝わる土着の精霊たちなどが多く登場して、現代のオーストラリアという舞台にしっくりと馴染んでるのを見てると、北半球のファンタジーには見られない個性がとても楽しかったです。
でもアボリジニのことも精霊たちのことも大地のことも、とても興味深かったし、面白かったんですけど... 物語としては、あと一歩踏み込みが足りないというか、最後の詰めが甘い気も...。オーストラリアの土着の精霊には馴染みが薄いから、それだけで面白く読んでしまうんですけど、欧米のファンタジーでいくらエルフだのドワーフだのが沢山登場しても、それだけじゃあ話にならないですもんね。そういう意味では、精霊たちが舞台背景で終わってしまって、今ひとつ生かしきれてないような、勿体ない印象が残ってしまいました。アボリジニの、大地に根ざして生きる民としてのメッセージ性は十分感じられたし、色々と考えさせられるのだけど... この作家さん自身は、アボリジニではないわけで。
でも、それはともかくとして、アボリジニについてはもっと何か本を読んでみたくなりました。日本の作家さんでは、上橋菜穂子さんが興味を持ってらっしゃると聞いたことがあるんですけど、守り人シリーズにも、アボリジニの影響が色々とあったりするのかな。調べてみると、「隣のアボリジニ」という本があるので、今度読んでみようかしら。アイヌやインディアンもそうだけど、アボリジニの歴史にも、なかなか凄まじいものがありそう。これはノンフィクションなのかな? そうだったらいいな。(ハヤカワ文庫FT)

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