「冬の狼」「アランの舞人」「北の娘」上下 エリザベス・A・リン

Catégories: /

[amazon] [amazon] [amazon] [amazon]
アラン史略全4巻。アランという架空の場所を舞台にした異世界ファンタジー。
ファンタジーとは言っても魔法はないし、想像上の存在も登場してなくて、舞台が架空の場所だという程度ですね。作者は女性なんですが、全体的に男性的で硬派な雰囲気。まるで無骨な石造りの部屋に掛けられた重厚なタペストリーを見ているような感覚。派手な色合いこそないけれど、落ち着いた色合いでしっかりと情景が描き出されていきます。まるで中世の物語を読んでいるみたい。でも考えてみたら、アーサー王伝説などの方が余程、魔法の気配が濃厚なんですよね。(笑)
でも、そんな雰囲気は悪くないんですが、訳文が...。この物語にはきっと良く似合ってるんでしょうけど、まるで日本の戦国時代の小説を読んでるような文章に馴染めなくて、読むのにかなり時間がかかっちゃいました。だって、どう考えても欧米のファンタジーの舞台設定なのに、主役の1人の一人称が「それがし」だなんて。しかも「奉行所」なんて出てきても... そこにいるのは、金髪碧眼の金さんですか。(苦笑) 「北の娘」で会話が関西弁やら薩摩弁に訳されているのも、私にはダメでした。そういう方言ってイメージが掴み易くて、きっととても便利なんでしょうけど、こういう使い方は勘弁して欲しいです。もちろん、国内作家さんの作品で、その土地の人間に方言をしゃべらせる分には構わないんですが、それも作家さん自らがネイティブ、もしくはそれに近い場合に限って欲しいですし...。(大阪に住んだことのない作家さんの書く妙な関西弁に、何度鳥肌が立ったことか) まあ、この作品では、京都弁だの大阪船場の商人言葉などが、きちんと使い分けられているようなんですが...。そういう部分で気を取られてしまって話の流れに乗れないっていうのも、勿体ない話ですね。
そしてこの重厚な雰囲気の中に、突然奔放な愛情表現が登場してびっくり。「アランの舞人」では、もしかしてこの作品ってBLだったのか?!とびっくりするような場面も。一体どういう意図があってそういう場面が描かれたんだろうと思ったんですが、巻末の作者のインタビューによると、どうやらこのシリーズでは、その部分が一番最初に書かれたらしく... そうか、そうだったのか。(がっくり)

「冬の狼」「アランの舞人」「北の娘」の間はそれぞれ時間が100年ほど流れていて、読み終えてみると、チアリという、舞人であり闘う者たちの興亡を描いた作品だったことが分かるのですが... でも結局何だったのかしら? それぞれの重厚な情景は印象に残ったんですが、結局何を訴えていたのか、今ひとつ掴めないまま終わっちゃいました。(ハヤカワ文庫FT)

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「冬の狼」「アランの舞人」「北の娘」上下 エリザベス・A・リン へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.