「青い眼がほしい」トニ・モリスン

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アメリカの黒人作家にして初のノーベル賞受賞者という女流作家・トニ・モリスンの作品。そういえば黒人作家による黒人の物語というのは、ほとんど読んだことがないかもしれません。これは黒人の少女ピコーラの物語。

ここに書かれているのは、黒人の中の差別意識。登場するピコーラという少女は、学校に友達なんて1人もいないし、黒人の少年たちにすら軽蔑され、いじめられています。黒人対白人という構図なら分かりやすいんですが、ピコーラが通ってる学校は、別に黒人蔑視というわけではないんです。転校生としてモーリーン・ピールという少女も登場するんですが、この子も黒人でありながら、周囲には「夢のようにすてきな黒人の女の子」と思われてます。とても裕福な家に生まれ育ち、肌の色は薄く、黒人はもちろん白人の子供たちも彼女のことをからかおうとしないどころか、むしろ魅了されてるんですよね。先生すらも。
黒人の中でも肌の黒さによって差別感情があるのは当然のことかもしれないんですけど、ピコーラがこれほどまでに手ひどく蔑視されているというのは衝撃的でした。むしろ白人と結婚する黒人の方がどっちつかずの状態で敬遠されやすいのかと思っていましたよ...。(この辺りの状況には、とんと疎くてお恥ずかしい) 黒人の中に、ここまで白人本位な美意識が入り込んでいたとは。そしてピコーラは、自分の眼が青い綺麗な眼だったらみんなに愛されると思って、毎晩のように神様にお祈りするんですよね...。
この作品は1940年代のアメリカの話だし、もちろん今とは多少状況が違うとは思うんですが、それでもきっと黒人による黒人差別はおそらくなくなってないんでしょうね。ピコーラをいじめる黒人の少年たちも、肌はピコーラと同じように黒いんです。白人に差別され続けている鬱憤がピコーラに対して噴出してるというのは分かるんですけど、これじゃあ、自分自身を貶めているのと同じこと。
でもこの作品において、作者は加害者側にも被害者側にも加担しようとはしません。ありのままの事実を淡々と書いているだけ。そしてピコーラや彼女の両親の人生を遡ることによって、その差別的な心情がどのようにして形成されていったのか、分かるような構成となっています。考えさせられる作品でした。(ハヤカワepi文庫)

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Commentaires(2)

四季さん、はじめましてです♪
時々覗かせてもらっていますv
私も最近読んだブラック小説で、
黒人による黒人差別が現代にも
(私が読んだのはNYの話)根強く
残ってるのを知りました。
こちらの本、児童書なんでしょうか?
タイトルも切ないですねぇ~。
是非読んでみたいです。

胡桃さん、はじめまして!
時々見て下さってるだなんて、ありがとうございます♪
あ、この作品は児童書ではないですよ。
ハヤカワepi文庫という、海外の名作を集めてるレーベルから出てるんです。
この本は、実は読んでる間はそれほどでもなかったんですけど(あれれ?)
読み終わってから、ものすごくじわじわときました。
よろしければ、手に取ってみて下さい♪

胡桃さんが読まれた本も気になります。
やっぱり現代にも黒人による黒人差別は根強く残ってるんですね。

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