「ファンタステス」ジョージ・マクドナルド

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アノドスは21歳の誕生日に、死んだ父親の遺した古い書き物机の鍵を譲り受けます。早速机の様々な引き出しや棚を調べ始めた彼は、奥に隠された空間を見つけ、そこに現れた不思議な婦人によって、きっと妖精の国への道が見つかると約束されて...。

副題は「成人男女のための妖精物語」。C.S.ルイスやJ.R.R.トールキン、ルイス・キャロルに大きな影響を与えたというジョージ・マクドナルドの大人向けファンタジー。
マクドナルドの大人向けのファンタジーには、他にも「リリス」という作品もあって、そちらは難しいながらも展開自体は追いやすかったんですが、こちらは本当に難しかったです...。様々な人や出来事と遭遇しながら、ひたすら妖精の国を通り抜けるアノドスの姿は、まるで聖杯探求の騎士のよう。でも全編通してものすごく暗示的なのに、何がどんな意味を含んでいるのかは、さっぱり。しかも、途中で挿入される魔法の鏡と青年の物語はとても面白かったんですけど、その他の部分はそれほど起伏に富んでいるとは言いがたく...。最後まで読むのがとっても大変でした。でもC.S.ルイスはこの本の序文で、この作品がルイスの「想像力を回心させ、洗礼さえした」とまで書いてるんですよね。マクドナルドの作品の中では、「カーディ」2冊、「黄金の鍵」「賢い女」「リリス」と並ぶ「偉大な作品群」だとも。うわーん、こんな風に書かれているのに、その良さが分からないのって悲しいです。最後まで読んでから、また最初に戻って半分ぐらいまで読んだんですが、結局「それで...?」状態の私ってば。仕方がないので、いずれまたリターンマッチしてみることにします...。
そして、このルイスの序文でびっくりさせられたのは、この作品を読んだ当時は「キリスト教ほど私の思想に縁遠いものはなかった」と書いていること。ナルニア国シリーズがあれだけキリスト教的作品なのに、それまでは「縁遠」かっただなんて! やっぱりこの作品との出会いが、ルイスに大きく影響を与えたんでしょうねえ。そんな作品なのに、なんで理解できないんだろう、私...。(しくしく)(ちくま文庫)


+既読のジョージ・マクドナルド作品の感想+
「お姫さまとゴブリンの物語」「カーディとお姫さまの物語」マクドナルド
「北風のうしろの国」ジョージ・マクドナルド
「かるいお姫さま」マクドナルド
「ファンタステス」ジョージ・マクドナルド
「金の鍵」「黄金の鍵」ジョージ・マクドナルド
「きえてしまった王女」「かげの国」ジョージ・マクドナルド

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Commentaires(2)

この本、たしかに難解ですよ。ものすごく象徴的で意味ありげなんだけど、あまりに曖昧で難しいです。
作中作の物語は、江戸川乱歩も褒めてましたが、すごく面白いのに、この違いはなんでしょう。マクドナルドは邦訳をいろいろ読んでみましたが、この作品が一番難しかったみたいです。

わあ、kazuouさんも読まれていたんですね。
やっぱり難解でしたか。そうですよねえ。
マクドナルト作品は、毎回難しいと思いながらも楽しめているのに
ここまで分からないまま終わってしまうと、なんだかがっくりきてしまいます。
あら、あの作中作、江戸川乱歩が褒めてるんですか!
あの部分はほんと面白いですよね。うんうん。
でも分かりやすすぎて異質な感じも…。
ここを読むと、他の部分はわざと難解に書いたとしか思えないです。(笑)

でも懲りずにまた未読作品を読んでみようと思います!

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