「日月両世界旅行記」シラノ・ド・ベルジュラック

Catégories: / / /

 [amazon]
以前エドモン・ロスタンの「シラノ・ド・ベルジュラック」を読んだんですけど(感想)、このシラノ・ド・ベルジュラックという人は、ロスタンの創作ではなく、17世紀に実在した人物。本物のシラノは戯曲のシラノとは多少人格が違うみたいなんですが、その多才ぶりは確かだったようです。そして本物のシラノの代表作が、この「日月両世界旅行記」。
これはSF小説(「空想科学小説」と言った方が相応しいかも)のはしりと言えそうな作品で、月と太陽の世界へ旅する奇想天外な旅行記となっています。丁度「ガリヴァー旅行記」みたいな感じですね。「ガリヴァー旅行記」は随分前に読んだきりなので、あんまりちゃんと覚えてないんですが、どことなく精神疾患的なイメージのスウィフトとは違って、同じように風刺小説になっていても、こちらはもっとおおらかで朗らかな感じがします。キリスト教に関して、結構痛烈なことを書いてるので、後が大変だったんじゃないかと思うんですが...。何て言っても、月の世界にはエデンの園があるんですもん!(笑) アダムとイヴが追放された今は、エノクやら預言者エリヤやらが住んでいる様子。あと月の世界には4つ足で歩く人獣の国があり、太陽の国には鳥の国や哲学者の国があります。
でも、ユーモアたっぷり風刺たっぷりで、面白いことは面白いんですけど、たとえばこの作品が書かれた頃の天動説派と地動説派のバランスとか、当時の思想や最先端の科学についてもう少し知ってれば、もっと楽しめたんだろうなあって思うんですよね。思わず流し読みしてしまう部分もあって、なんだか勿体ないことしちゃいました。あ、でもロスタンの描くシラノ・ド・ベルジュラックも良かったんですが、本物の方が破天荒ぶりが優っているようで、見てる分には楽しそうな人物です。(岩波文庫)

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「日月両世界旅行記」シラノ・ド・ベルジュラック へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.