「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピーターズ

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修道士カドフェルシリーズの19作目と20作目。あとは短編集を1冊残すのみなので、長編はこれでオシマイです。淋しいー。でも、特に20巻で完結という作りになっているわけではないし、そういう意図もなかったようなんですが(エリス・ピータースは続編を書こうとしていたそうなのですが、その途中で亡くなられてしまったようです)、19巻では、1巻の「聖女の遺骨求む」で聖ペテロ聖パウロ修道院にやって来た聖ウィニフレッドの遺骨が盗まれるという事件で、カドフェルの行動を色々振り返ることになるし、20巻ではこれまでのスティーブン王と女帝モードの争いという歴史も大きく絡み合い、しかもこれまで探偵役に徹していたカドフェルが名実共に話の中心となり、最終作に相応しい物語となっています。

このシリーズは、12世紀という時代背景における人々の生活や修道院での暮らしが色々と描かれているのがとても興味深いんですが、今回は19巻に出てきた聖書占いというのが面白かったです。これは聖骨箱の上に福音書を載せて、目は他の方向に向けて両手で福音書を開き、人差し指で指した部分の文章を読み取り、解釈するというもの。今回の占いの結果に関してはやや出来すぎの感があるのですが、それでも臨場感たっぷり。荘厳で敬虔な雰囲気がよく現れていました。そんな偶然に頼るなんて! とも思ってしまうのですが、それも神の御心ということなんでしょうね。今よりも遥かに信心の篤いこの時代ならではの占いで、すごく面白かったです。
ただ、このカドフェルシリーズは何人かの訳者さんが訳してらっしゃるんですが、岡本浜江の訳だけ登場人物の言葉遣いが違うのが気になります。19巻もやけに古めかしい言葉遣いだし...。これでシリーズ全部を統一しているのならまだしも、訳者さん同士での連携というのはないのかしら? 1人だけ浮き上がってしまうのは問題だと思うんですけどねえ...。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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