「激流」柴田よしき

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中学の修学旅行で京都に行っていた小野寺冬葉が失踪。その時に一緒にいたのは、修学旅行で同じ班だった6人。知恩院に向かっていた彼らが、市バスに乗り込んでいる間の出来事でした。バスがひどく混んでいたため、乗り込んだ時はバラバラの場所にいた6人。その後バスがすいてきた時、1人足りないのに気づいたのです。行き先はきちんと分っており、自分の意志でバスを降りたとしか思えない冬葉。...そして20年後。冬葉の名前でメールが届きます。文面は「わたしを憶えていますか? 冬葉」。

失踪した冬葉からのメールが届いたことが呼び水となって、20年ぶりに集まることになった元同級生たち。冬葉がまだ生きているのか既に死んでいるのか、メールの発信人は本当に冬葉なのか、冬葉でないとすれば一体誰なのか。そして20年前の冬葉に一体何があったのか。それらの謎を含んで、物語は展開していきます。単行本にして554ページの2段組という長さなんですけど、長さを感じさせませんね。柴田よしきさんならではの語りの上手さもあって、先が気になってどんどん読み進めてしまいましたー。
冬葉にまつわる謎も魅力的なのですが、20年ぶりに集まった5人(6人のうち1人は消息不明)の造形がいいですねえ。14~15歳だった彼らも今や30代半ば。当然仕事にも人生にも一波乱二波乱あるわけです。そんな波乱を乗り越えてきたり、今まさに乗り越えつつある姿が良かったし、読んでいて楽しかったです。でも最後に明かされた真相は...。物語の終盤、とある悪意の存在が明らかになるんですけど... 犯人がそういう人間だったという説得力はあったし、そんな悪意が他の悪意を増幅させていくのも分かるんですけど... でも所詮は単なる自分勝手な大馬鹿人間、という感じに見えてしまって、それまでのこの作品を受け止めるにはちょっと役不足だった気がします...。面白かったし、読んでる間は夢中になってたんですけど、その辺りがちょっぴり残念でした。(徳間書店)


+既読の柴田よしき作品の感想+
「ワーキングガール・ウォーズ」柴田よしき
「シーセッド・ヒーセッド」柴田よしき
「窓際の死神(アンクー)」柴田よしき
「夜夢」柴田よしき
「激流」柴田よしき
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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Commentaires(2)

こんにちは。
ラストはやはり不満でした。
それに、こんなに長さが必要か!と途中で
思ってしまいました(^^;
中間のダラダラ感がちょっと・・・(^^;
四季さんは長さを感じなかったんですね。

ゆこりんさん、こんにちは。
やっぱりゆこりんさんも、ラストが不満でしたか。
そうですよねえ、普通ならあれでもいいのかもしれないですけど
作品のあの長さを受け止めるには、ちょっとなあ…という感じでした。
あ、でも中間のダラダラ感は感じませんでした!
さすが柴田よしきさん、読ませてくれるな~と読んでました。(^^ゞ

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