「ワイズ・チルドレン」アンジェラ・カーター

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伝説のチャンス姉妹、ドーラとノーラは、認知こそされていないものの、著名なシェイクスピア俳優サー・メルキオール・ハザードの娘。ハザード家は演劇一家であり、彼らとは離れて育ったドーラとノーラもまた、10代そこそこから舞台に立ち、ショービジネスの世界で生きてきていました。そして今日はドーラとノーラの75歳の誕生日。父親のメルキオールも同じ日が誕生日で、こちらは100歳の誕生日。当日になってドーラとノーラにパーティへの招待状が届きます。

わー、面白かったです! 物語は、ドーラが自叙伝を書くために誰かに話を聞かせているという形式。とにかく終始テンションが高くて猥雑な雰囲気だし、「この男のことはお忘れなく」「○○については適当なところで説明するつもり」「もうすぐわかります」とか言って、ドーラの気分次第で話がどんどん飛ぶし、双子が5組(!)も登場するせいで、ただでさえ多い登場人物はさらにややこしくなってるし、その上演劇一家らしくそれぞれの愛憎関係が複雑かつ華やかなので、読み始めは、もう大変。
でも一旦ペースを掴んでしまいさえすれば大丈夫。ショービジネスの世界らしい華やかさが満載で、楽しかったです。かなり長い作品なのに、一気に読んでしまいました。フレッド・アステアやジンジャー・ロジャースといった実在したスターたちが話の中に登場するのも楽しいし、ドーラの語りにシェイクスピアからたっぷりと引用されてるのも、雰囲気満点。当時のファッションについても、ばっちり分かります。そしてロンドンの演劇界の中心であるハザード一家の歴史を紐解けば、それはそのままロンドン演劇界の歴史なんですねえ。この人たち、誰かモデルがいるのかしら? 到底架空の人物とは思えない存在感なんですけど!
浮き沈みの激しいショービジネスの中で、決して良いことばかりだったとは言えないはずのドーラとノーラなんですが、終始パワフルに人生を生きていて、苦労も苦労と思わずに笑い飛ばす力強さがいいんですよねえ。もちろん75歳になる今もお洒落心は忘れず、「今でも年のわりにはちょいと悪くない脚だと思うわ」と脚を引き立てる服装を選ぶところも可愛いところ。でも、ドーラとノーラが望んでいることは、本当はただ1つ、実のお父さんであるメルキオールに娘だと認めてもらって、お互いに抱きしめあうことだけなんですよね。お父さんの前に出ると、いつもの毒舌ぶりから一転して、10代始めの少女に戻ったようになってしまう2人も可愛いかったな。最後の最後まで、いや、ちょっととんでもないんですけど... お見事でした。(ハヤカワepi文庫)


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ワイズ・チルドレン アンジェラ カーター Angela Carter 太田 良子  語り手は75歳の元ショーガール、ドーラ・チャンス。ドーラには... » Lire la suite

Commentaires(2)

四季さん、お久しぶりです。

この本、とってもよかったです!!
ドーラの語り口が楽しくて。
ショービジネスの楽しさと、ドーラたちの陽気さがストレートに伝わってくる展開でした。
誕生日パーティに行くときの服装は想像すると75歳にしてはかなり張り切ってしまってますが、この2人なら許せちゃいそうです。

sayanoさん、お久しぶりです~。
ほんと、楽しい本でしたよね!
ショービジネスの華やかさや猥雑さがいっぱいで、こういうの大好きです。
ほんと、あの2人なら許せちゃいますよ!>パーティの衣装
アンジェラ・カーターのほかの作品も読んでみたいなあと思ってます。(思いつつなかなかなんですが)
sayanoさんの記事も、楽しみに拝見させて頂きますね。^^

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