「西瓜糖の日々」R.ブローティガン

Catégories: / /

 [amazon]
先月読んだ「愛のゆくえ」がとても良くて気に入ったリチャード・ブローティガン。(感想) 今度は夜中に台所で僕は本を読みたかったのkeiさんが、「私のエヴァーグリーンです」と仰っていた「西瓜糖の日々」を読んでみました。

「愛のゆくえ」は物語としてまとまってたんですが、こちらは情景のスケッチをランダムに並べていったような感じ。とっても妙な話でした! まず、舞台となっているのが、西瓜糖の世界の中心・アイデス(iDEATH)なんですよね。西瓜糖の世界には西瓜畑が沢山あって、西瓜工場では西瓜の汁を砂糖になるまで煮詰めて西瓜糖を作っていて、その西瓜糖から色々な物が作り出されているんです。川にかかっている橋にも西瓜糖から出来ているものがあるし、主人公が住んでいる小屋も西瓜糖と松と石から出来ていて(窓も西瓜糖)、本を執筆中の彼は、西瓜種子インクにペンを漬けて、西瓜の甘い匂いのする薄片に書いてます。服も西瓜で出来ていれば、ランタンの油は西瓜と鱒を混ぜた西瓜鱒油。しかも月曜日から日曜日まで日替わりで違う色の太陽が輝き、その色によって、できた西瓜も変わっちゃう。月曜日は赤い太陽に赤い西瓜、火曜日は黄金色の太陽に黄金色の西瓜、水曜日は灰色の太陽に灰色の西瓜...。
そんな舞台設定を含めて、この世界で起きることが淡々と語られていきます。とっても寓話的。でも私に分かるのはごく一部分だけ。穏やかで落ち着いた世界に見えるアイデスは死の世界で、そことは対照的な「忘れられた世界」が、今のこの現実世界じゃないかということだけです。アイデスは穏やかで落ち着いてはいるけれど、変化を求めない閉鎖的な環境。後半、「忘れられた世界」絡みで強烈な出来事が起きるのですが、それでもアイデスの住人たちはそれほどの衝撃も受けていないし、アイデスはすぐにいつものアイデスに戻ってしまうんですよねえ。この辺りもとても象徴的です。
きっと掴みきれていないことがいっぱいあるとは思うのだけど、それでもやっぱりこの雰囲気は好きです。こういうのが好きか嫌いかっていうのは、多分理屈抜きの世界なんですよね。感想を書くために何度もパラパラと読み返していたんだけど、読み返せば読み返すほど惹き込まれてしまいます。やっぱりブローティガンはいいですねえ。また他の作品も読んでみたいです。(河出文庫)


+既読のリチャード・ブローティガン作品の感想+
「愛のゆくえ」リチャード・ブローティガン
「西瓜糖の日々」R.ブローティガン

| | commentaire(2) | trackback(1)

Trackbacks(1)

「西瓜糖の日々」R.ブローティガン へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

津原泰水まつり。 …ひそかに、ぢみに、地道に、進行中です。 なんだかんだいって、... » Lire la suite

Commentaires(2)

四季さん、はじめまして。
本のお話と花の写真をいつも楽しみに拝見しています。
ブローティガンの「西瓜糖の日々」はいい本でした。「愛の行方」も読んでみたいですね。

matildaさん、はじめまして!
いつも楽しみにして下さってるだなんて、ありがとうございます。
「西瓜糖の日々」、いいですよねえ。何とも不思議な感じで、クセになりそう。
「愛の行方」にも不思議な部分はありますが、もっと普通なんです。
あ、でもこちらもいいですよー。ぜひぜひ。

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.