「夢のかたち」「オブジェを求めて」「天使から怪物まで」澁澤龍彦

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「言葉の標本函」という名の下に編集された3冊。それぞれ「夢」「オブジェ」「天使・怪物」というキーワードによって、100編以上の断章が紹介されていきます。

登場率の高いのは、プリニウス、ダンテ、ニーチェ、ユイスマンス辺り。最初に通して1回ずつ読んでから、3冊それぞれで気になった断章をチェックしながら読み返したんですけど、あっちで気になるのは、やっぱりこっちでも気になるらしいです。あまり深く考えずに適当に選んでるだけなのに、自分の好みの傾向がちゃんと現れてるのが可笑しい♪ 中でも「解放されたエルサレム」(タッソー)は、3冊それぞれでチェックしてしまいました。「さかしま」(ユイスマン)もそうだったかな? これはぜひとも読まなくちゃいけません。とはいっても、その作品が、ここで読んだ通りの雰囲気とは限らないんですけどね。たとえばダンテの「神曲」やミルトンの「失楽園」みたいな既に読んでいる作品も、ここで改めて読むとまた違った表情でしたし。

他の作家さんの作品の紹介ばかりなんですが、澁澤さんの好みが見えてくるし、何よりご自身が訳してらっしゃるものも多くて、何とも澁澤ワールド。そして3冊の中で澁澤龍彦的エッセンスが一番強く感じられたのは、「天使から怪物まで」でした。「編者による序」に、「『天使から怪物まで』と題して、私が本巻にあつめた百十八篇の断章は、いわば私の主宰する、サドのそれにも比すべき乱交パーティの円環だと思ってくだされば幸甚である」とある通り。私自身、元々天使と悪魔にすごく興味があるというのもあって、これが一番面白かったです。3冊の中では、「オブジェ」がちょっと落ちたかな... 物もいいんだけど、人の方が読んでて楽しかったですね。(河出文庫)


+既読の澁澤龍彦作品の感想+
「私のプリニウス」澁澤龍彦
「異端の肖像」澁澤龍彦
「夢のある部屋」澁澤龍彦
「澁澤龍彦初期小説集」澁澤龍彦
「夢のかたち」「オブジェを求めて」「天使から怪物まで」澁澤龍彦
「高丘親王航海記」澁澤龍彦
「東西不思議物語」澁澤龍彦
Livreに「世界悪女物語」「幻想博物誌」「夢の宇宙誌」「フローラ逍遥」の感想があります)

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Commentaires(2)

たしかに澁澤好みのよくわかるシリーズでした。「夢のかたち」もなかなかよいけれど、同じようなテーマでは他を圧するボルヘス編「夢の本」なんてアンソロジーがあるので、ちょっと分が悪い感じです。
そういうわけで、僕がいちばん好きなのも、四季さんと同じく「天使から怪物まで」ですね。

そうですね、「夢のかたち」も悪くなかったんですけどねー。
やっぱり「天使から怪物まで」が一番良かったです。
わあ、ボルヘスに「夢の本」なんていうのもあるんですねー!
それは読んでみたいなあ。
…と思ったんですが、市内の図書館にはないようです。リクエストしちゃおうかしら。
どんな夢が集められているのか、考えただけでもわくわくします。

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