「エッダ 古代北欧歌謡集」

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古代北欧語で書かれたゲルマン神話および英雄伝説の集成「エッダ」(古エッダ)と、13世紀にアイスランドの詩人・スノリ・ストルルソンによって書かれた「エッダ」(散文エッダ)の中の第一部に当たる神話大観「ギュルヴィたぶらかし」。先日読んだちくま文庫の「エッダ・グレティルのサガ」(感想)には14編しか収められていなかった古エッダなんですが、こちらには37編! これがきっと完訳版なんでしょうね。訳者の谷口氏は、北欧研究の第一人者と言われる方なのだそうです。

相変わらずの注釈の多さで、ちょっと読みにくいんですけど、やっぱり全部載ってると満足感が違いますね。特に、スキーズブラズニルというフレイの船についての記述が(少しだけだけど)増えてて嬉しい! この船こそが、ヒルダ・ルイスの「とぶ船」の船なんですよー。(でも作中でピーターが読んでいた本ほどの記述はまだ見つからない...) それに、ちくま文庫の「エッダ」でも、収録されてる話同士で同じ人物の設定が違ってたり、矛盾するところが多いというのは感じていたんですが、全部載ってると、そういうのをさらに感じます。この「エッダ」でも、例えばブリュンヒルドが「ファーヴニルの歌」とか「シグルドリーヴァの歌」では、ヴァルキューレとしてオーディンに罰を受けてるんですが(オーディンの意図しない戦士を死なせたため)、「シグルズの短い歌」ではアトリ王の妹で、ごく普通の王女として暮らしてるんですよね。ちなみに「ニーベルンゲンの歌」でのブリュンヒルドの設定は、イースラント(アイスランド)の女王だし。そういうのが結構多いです。(そういうのがあまり気にならない時点で、私ってあんまりミステリ向きじゃなかったのかも、と思ったりもします(^^;)

それとスノリのエッダ「ギュルヴィたぶらかし」が、古エッダで難しく語られた世界の成り立ちその他を分かりやすく説明してるので、これがすごく面白いです。こういう風に色んな角度から読むと理解しやすくていいですね。これで一度解説本を読んでからまた戻ってきたら、もっと理解できるんだろうな。と考えると、この本は図書館で借りたんですけど、やっぱり欲しいかも...。文庫になってくれるといいんだけどなあ。それに「スノリのエッダ」の全訳も読みたいなあ。訳してくれる人はいないのかなあ。(新潮社)

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