「不思議図書館」寺山修司

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帯に「図書館長・寺山修司が、珍書・奇書を大公開!」とあって、これは面白そう!と手に取ったんですが、実際面白かったです。ヨーロッパやアメリカに行くたびに古本屋や古本市で見つけて蒐集してきたという、寺山修司の蔵書コレクションを紹介する本。「書物の迷路あそび」という章にも「ヨーロッパへ旅行するたびに探しまわった迷路に関する文献も、かれこれ棚一段分ぐらいになった」という文章があるように、少しずつ集められてきた本たちのようです。

さすがに寺山修司氏、興味の向かう方向が独特ですね。「髭のある女の実話画報」「フェチシズムの宇宙誌」「大男を愛するための図鑑」「変わった殺人のための大百科」「サディズム画集の中の馬男たち」などなど、目次を見ているだけでも一種独特の妖しげな雰囲気が漂うんですが、実際に紹介されている本もユニークなものばかり。「奇書・珍書コレクション」という紹介に相応しい1冊です。実際にその本や雑誌に掲載されていた写真や図版も転載されてるのが、また楽しいんですよー。
「書物の迷路あそび」に紹介された様々な迷路、そしてその用途(ボルヘスの「ふたりの王とふたつの迷宮」が読んでみたくなりました)、「髭のある女の実話画報」で紹介されている髭のある貴婦人・クレメンチーヌ・デュレのエピソード。デュレ夫人の写真は、男装の麗人というよりも、男の人が女装してるようにしか見えないんですが、きちんとした医者が、彼女をれっきとした女性だと太鼓判押してるというんだから驚き。子供も産んでるんですよね。しかも、立派な髭を生やしたデュレ夫人は、県知事によって男装を許されたのだとか...! 当時の女性と男性の社会的な立場の違いを、思わぬところで再確認させられちゃいます。あと、面白かったのは、自殺機械を発明し実演する男たちを紹介した「変わった殺人のための大百科」とか、「だまし絵の美術史」のだまし絵画家同士の対決とか、「フェチシズムの宇宙誌」とか... 中国の男性が、纏足された小さな足に感じる「繊細な甘さ」と「刺激的な趣味」って! そうなんだ!(笑)
ミステリ好きさんにとっては、ミス・マープルそっくりさんコンテストの話題とか(選ばれた老嬢の写真付き)、新聞に掲載されたエルキュール・ポワロの死亡記事が興味を引きそう。1枚の図版を見て推理する「軽食スタンド殺人事件」なんかも面白そうでした。これがもうちょっとちゃんと推理できるようになっていれば、もっと良かったんですけどね。 (角川文庫)


+既読の寺山修司作品の感想+
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Commentaires(2)

きれいなブログですね。そして、きれいな本。この本、装丁に誘われて買うかどうしようか迷っていました。明日また本屋に行ってみます♪

ひからびた胎児さん、はじめまして。
きれいなブログだなんて、ありがとうございます。
この本、面白かったですよ。「フリーク」という言葉に惹かれるならぜひオススメしたいです。

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