「四つのギリシャ神話 『ホメーロス讃歌』より」

Catégories: / / /

 [amazon]
娘のペルセポネーを突然ハーデースに奪われて嘆くデーメーテールを描いた「デーメーテールへの讃歌」、ヘーラーの嫉妬のために、ゼウスとの間に出来た子供を産む場所を探すのに苦労する女神レートーの「アポローンへの讃歌」、生まれたその日にアポローンの牛を盗み、アポローンに捕まえられてもゼウスの前に出されてもしらばっくれるヘルメースを描いた「ヘルメースへの讃歌」、英雄アンキーセースと出会って愛し合い、後にローマを建国するアイネイアースを産むことになるアプロディーテーの「アプロディーテーへの讃歌」の4編。

「ホメーロス讃歌」とは言っても「イーリアス」「オデュッセイア」の作者であるホメーロスが書いたのではなく、様々な人物がホメーロス的に作り上げた詩を集めたもののようですね。という以前に、本当にホメーロスという人物はいたのか、1人の人間が本当に「イーリアス」「オデュッセイア」を作り出したのか、それとも複数の人物のユニットが「ホメーロス」だったのか... なんて「ホメロス問題」があるようですが。

4つとも、ギリシャ神話が好きな人にはお馴染みの有名なエピソード。もっとも読む本によって、細かい部分が違ってたりしますけどね。そしてこの中で私が一番面白く読めたのは、「ヘルメースへの讃歌」でした。ヘルメースは生まれたその日も揺り籠の中にじっとしていることなく、早速飛び出してしまうのですが、亀を見つければその甲羅で竪琴を作って奏でてみたり、アポローンの牛を50頭も盗んでみるという行動力。しかも、ヘルメースが犯人だと見抜いたアポローンに責められても、ゼウスの前に引き出されても、のら~りくらりと言い逃れるんです。ヘルメースといえば知的でスマートなイメージがあるのですが、むしろ悪知恵が働く赤ん坊だったわけですね。読んでいる間は、解説に書かれているような「喜劇仕立ての滑稽な作品」とはあまり思わなかったんですが、読後少し時間が経つと、やはりあれは喜劇仕立てだったんだなあ~なんて思ってみたり。
この本に収められているのは4編だけですけど、ちくま文庫から出ている「ホメーロスの諸神讃歌」で全33編が読めるようです。この4編以外はどれも小粒で、神話伝説的要素があまりないそうなんですが、これだけだとちょっと物足りなかったので、今度はそちらを見てみるつもり~。(岩波文庫)


+既読のホメロス名義作品の感想+
「イリアス」上下 ホメロス
「四つのギリシャ神話 『ホメーロス讃歌』より」
「オデュッセイア」上下 ホメロス
「ホメーロスの諸神讃歌」ホメーロス

| | commentaire(7) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「四つのギリシャ神話 『ホメーロス讃歌』より」 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

Commentaires(7)

小学生高学年の頃に「ツタンカーメンの伝説(だっけ?)」とか言う本を読んだ時に巻末のおまけにシュリーマンの話が載っていて、ギリシャ神話?のトロイを信じて、ついにその遺跡を発掘したなんて話にシュリーマンが、奥さんに遺跡から出てきたJewelryをつけれるだけ着けさした白黒写真が載っていて、それを見て「すげー、僕もこんなのしてみたい(誰に?(笑))」と思ったのが、ジュエリーとのファーストコンタクトだったなー(しみじみ)

因みにシュリーマンも「イーリアス」「オデュッセイア」の大ファンが高じて遺跡を見つけたとか。。。うーーん。ロマン。(^^ゞ

えへ。ネットって凄いね!探したら、その写真を見つけました。
http://www.intweb.co.jp/turkyi/image/turkyi_PH/0408/Dsc00086.jpg

師匠、こんにちは。
私もその話、小学校の頃に読みましたー!
私が読んだのは、ツタンカーメンとかそういうのは載ってなくて、1冊まるまるシュリーマンの本。「夢を掘りあてた人」でした。
そうそう、奥さんにジュエリーを着けられるだけ着けさせた写真、ありましたね!
これですよ、これこれ。懐かしい~。ネットでそういうのが見られるなんていい時代ですね~。

私が読んだ本は子供向けの夢いっぱいの本だったので、
まさかそのシュリーマンが死の商人だった… なんてことは書いてませんでした。(わはは)

何度もこちらには来ているのですが、コメントは初めてです。はじめまして。

ギリシャ神話はオデュッセウスの『転生物語』を図書館で借りて、読んだときから気に入ってます。それから何かおもしろいギリシャ神話がほしいのですが、なかなか見つけられないでいました。これは興味ありますね!今度、探してみます。

sayanoさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
何度も来て下さってるなんて、嬉しいです(^^)。

オデュッセウスの「転生物語」というのは、知らないのですが…
もしかしてオウィディウスの「変身物語」でしょうか? (題名が色々あるのかもしれないですね)
私が子供の頃によく読んでいた、ブルフィンチのギリシア・ローマ神話に、そのモチーフがかなり取り込まれていたらしくて
それを知って、本家の「変身物語」も読んでみたいなと思っていたのです~。
私もギリシャ神話関連の本を色々と読みたいと思ってるので、面白い本があったら、ぜひ教えて下さいね!

四季さん、作者の名前、間違ってました。スミマセンm(_ _;)m オウィディウスです。ハイ・・・。

ずいぶん喜怒哀楽の激しい人間っぽい神様だな~と感じた覚えがあります。
図書館で借りた古い本だったので、題名が変わってるかもしれません。

あ、やっぱりオウィディウスだったんですね(^^)。

ギリシャ神話の神々って、ほんと人間的ですよね。
ある意味、人間以上に人間らしいというか、どろどろしてるというか…(笑)
こういう神話って、きっとその民族性がすごく出てるんじゃないですかねえ?

読み物としては、やっぱり一神教より多神教の方が断然面白いですね(^^)。

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.