「風に舞いあがるビニールシート」森絵都

Catégories: /

 [amazon]
6作が収められた、森絵都さんには珍しい短編集。6つの作品はそれぞれに趣向が違うものの、何か大切なものを持ち続けている主人公たちが、現在の迷いや悩みを振り切って、未来に向かおうとする姿を描いているのが共通点。
うーん、悪くないし、むしろ粒揃いの短編集なんだろうなとは思うものの... 私にとっては、何かが決定的に足りなかったです。
1作目の「器を探して」では、読み初めから引き込まれて、かなり期待がふくらんだんです。でも途中まではとても面白く読めたのに、最後の詰めが... ええっ、これで終わりですか? 3作目の「守護神」は、思いがけない方向への展開が楽しいんだけど、国文学のレポートがそれほど簡単に代筆できるなんてあり得ないーって思ってしまうし、表題作「風に舞いあがるビニールシート」は、この6作の中で一番ストレートに響いてくる作品だとは思うんですが、それにしても、読み始めた時から予想できていた展開と結末。(予想通りなのは構わないんですけど、「それでも良かった」という何かが欲しいところ)
結果的に一番楽しめたのは、一番肩の力の抜けたような「ジェネレーションX」だったかも。比較的小粒な作品だとは思うんですけど、軽快でまとまりが良くて楽しかったです。主人公にとって、最初は単なる「新人類」だった新入社員の「石津」なんですが、傍迷惑な私用電話から聞こえてくる会話から、だんだんその事情や人となりが見えてきて、印象が変化していくのが楽しかったし、ラストも爽やか。
...でも、そういえばこれって直木賞受賞作品なんですねー。
元々直木賞には関心がないんですけど、ここ数年の受賞作と候補作のリストを改めて眺めてみて、やっぱり自分にはあんまり関係ない賞だなあと思ってしまいます。直木賞って、なんでこんなに反応が鈍いんだろう... 人目を気にしすぎなのよね、きっと。(文藝春秋)


+既読の森絵都作品の感想+
「いつかパラソルの下で」森絵都
「にんきもののひけつ」「にんきもののねがい」「にんきものをめざせ!」「にんきもののはつこい」森絵都
「あいうえおちゃん」「流れ星におねがい」森絵都
「ぼくだけのこと」森絵都
「いちばんめの願いごと」森絵都
「屋久島ジュウソウ」森絵都
「風に舞いあがるビニールシート」森絵都
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

| | commentaire(4) | trackback(3)

Trackbacks(3)

「風に舞いあがるビニールシート」森絵都 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

風に舞いあがるビニールシート 「器を探して」 クリスマス当日、弥生は東京から離れ、器を探して岐阜へ向かっていた。 有名ケーキ店のパティシエである、ヒロミの... » Lire la suite

第135回直木賞受賞作。ぼくにとっては初めての森絵都。 風に舞いあがるビニールシート森 絵都 文藝春秋 2006-05売り上げランキング : 1490お... » Lire la suite

タイトル:風に舞いあがるビニールシート 著者  :森絵都 出版社 :文藝春秋 読書期間:2006/09/05 - 2006/09/07 お勧め度:★★★... » Lire la suite

Commentaires(4)

四季さん、こんにちは^^

四季さんの感想を読んで、うんうんそうそう!と、うなずきっぱなしでした(笑)私も『ジェネレーションX』が一番好きでした。『器を探して』のラストはあっさりすぎてビックリ。あのグチグチ男の彼氏がヒロミのケーキで機嫌が直るとはとても思えなくて全然共感できませんでした(^^ゞ『風に舞いあがるビニールシート』は絶対長編で書いてほしかったと思いましたよ。短編でさらりと書く題材ではないよーな気がしました・・・。

かなめさん、こんにちは~。
色々とうなずいて下さったようで嬉しいです!
そうそう、あのグチ男がケーキで機嫌を直すだなんて、ねえ。そんなのアリー?!って思いましたよ。
そんな程度で大丈夫っていうんなら、最初から悩む必要もないわけで、この話自体が成立しなくなっちゃう。
…そんな話だったのか… って正直がっかりしました(^^;。
表題作は綺麗にまとめてあるとは思うんだけど、確かに長編向きの作品ですよね。
でも「ジェネレーションX」は、楽しかったですね。ピッチャーではなかったってところは、石津と一緒にびっくりしました。(笑)
ただこれも、20代前半の子が「シラケ世代」なんて言う? なんてことを思っちゃった…(^^;。

どうも今回はあんまり合わなかったみたいです。森絵都さん大好きなのに、残念ですー。

こんばんわ^^TBさせていただきました。
私も直木賞に関心はあまりないんですが、やっぱり伊坂さんか貫井さんにとってほしかったなぁって思ったりもしました。
森さんの作品はとてもすきなのですが、児童書から離れてからは、これ!って言うものに出会えないですね・・・。
「いつかパラソルの下で」も嫌いではないんですけど。
児童書作品も、また書いてほしいなぁなんて、思っています。
私も「ジェネレーションX」が好きです^^
これが、1番森さんっぽいなぁって思ってしまいました。
「DIVE!」とかスポ根系の人たちの10年後みたいな^m^
青春と言う言葉が似合いましたね。
「器を探して」は、私が子どもだからかもしれないですけど、そんな男さっさと別れてしまえ!
そんな上司のいる会社なんて、自分も実力があるんだから辞めちまえ!
なんて、思ってしまいました^^;

苗坊さん、こんにちは!
あ、苗坊さんも直木賞はあまり…のお仲間ですね♪
実は候補作品、ほとんど読んでないんですけど、強いて挙げるなら伊坂さんが… 「砂漠」、好きなんです(^^)。

そうなんですよね、児童書を離れてからは、今ひとつ…
「永遠の出口」は好きだったんですけど、これはまだまだ児童書の延長線上って感じだったし…
それより後の作品には、今ひとつ合わないものを感じてます。
>「DIVE!」とかスポ根系の人たちの10年後みたいな^m^
あ、ほんと、確かにそうですね! 確かに確かに♪
ああ、「DIVE!!」みたいな作品をまた読みたいです~。

うん、あんな男とは別れた方がいいし、仕事も辞めた方がいいと思います。(キッパリ)>「器を探して」
でもそうやって、彼女は周囲も自分も騙し騙し一生過ごすんでしょうね。
そんな人生、送りたくないですよね(^^;。

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.