「インド神話 マハーバーラタの神々」上村勝彦

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インドの神話について書くように依頼された上村氏が、いざインドの神話について調べ始めると、既存の参考文献は二次的資料を元に書かれたものがほとんどで、しかもあまり信頼できないものが多いと分かったのだそうです。そして結局、「マハーバーラタ」を原典で読むことに...。そんな上村氏が、「マハーバーラタ」やリグ・ヴェーダ諸文献をあたって選び出した諸々の神話を紹介していく本。

有名な、不死の飲料である甘露(アムリタ)を得るために、神々と阿修羅がマンダラ山で大海を攪拌する「乳海攪拌」の神話を始めとして、沢山のエピソードが「マハーバーラタ」やリグ・ヴェーダ諸文献などから抜き出されていて、純粋に読み物としても面白いです。それに、似たような神話があるものに関しては、並べて比較してくれるし... あと、たとえばインドラが帝釈天だとか、中国や日本に伝わった後の仏教名を書いてくれてるところも分かりやすい~。
ただ、「マハーバーラタ」を原典で読んで訳しちゃったという上村氏の著述だし、副題も「マハーバーラタの神々」。比重は断然「マハーバーラタ」に傾きがちなんですよね。これはやっぱり、「マハーバーラタ」を読む時の副読本として役立てるというのが正解なのかも。二大叙事詩として並び称される「ラーマーヤナ」については、必要に応じて引用されてはいるものの、それほど触れられていないのがちょっと残念。それに引用されてはいても、昨日読んだ「ラーマーヤナ」では省略されていた場面だったり、しかも固有名詞の訳が微妙に違っていたりで分かりにくい...。これはやっぱりきちんとした「ラーマーヤナ」を読まなくちゃいけません。そして「マハーバーラタ」も読まなきゃ! その後で、ぜひもう一度この本を読み返したいです。
「リグ・ヴェーダ」での神々は「デーヴァ」(deva)と呼ばれ、これは神を意味するラテン語のデウス(deus)、ギリシャ語のテオス(theos)と語源的に対応するのだそう。地域的に結構離れているというのに、語源的な繋がりがあるなんて、面白いなあ。(ちくま学芸文庫)


+既読の上村勝彦作品の感想+
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