「ローカル・カラー/観察記録」「詩神の声聞こゆ」トルーマン・カポーティ

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1冊目は、カポーティの若き日の紀行文の「ローカル・カラー」と、著名人について書いた「観察記録」。2冊目は、ソ連でオール黒人キャストのミュージカル「ポギーとベス」を上演することになったアメリカの劇団に随行した時の記録「詩神の声聞こゆ」と、京都でのマーロン・ブランド会見記「お山の大将」と、日本人の印象を書いた「文体ーーおよび日本人」。

うーん、とても感想が書きにくい...。どれも小説ではない、ってせいもないのでしょうけど、やっぱりそれも関係あるのかな。まず1冊目の「ローカル・カラー」や「観察記録」は、スケッチと呼ぶのが相応しいような文章。そして「詩神の声聞こゆ」は、カポーティが「初めて短篇喜劇風"ノンフィクション・ノヴェル"として構想した」という作品。
でも私がこの2冊のうちで一番好きなのは、そういう風に表題作となるような作品ではなくて、まずジャン・コクトーの紹介でフランス文学の大女流作家コレットに会った時のことを書いた「白バラ」でした。8ページほどの短い作品なんですが、最初は緊張していたカポーティが、一瞬にしてコレットという人物に魅せられ、その後も影響を受け続けたのが十二分に分かるような気がします。コレットの最後の言葉も印象的。それと、映画「サヨナラ」の撮影のために京都に来ていたマーロン・ブランドと会った時のことを書いた「お山の大将」も好き。ある人物を叙述する時、決してその人が満足するように描かなかったというカポーティですが、そういった人々の中でもっとも心を痛めたのがマーロン・ブランドだったのだそうです。でも、私はすごくいい文章だと思うんだけどな。成功者という位置には相応しくないほどの、強い感受性を持った青年像が浮かび上がってくるようです。

この2冊には、それぞれ「犬が吠える」という副題が付いていて、それはカポーティがアンドレ・ジッドに教えてもらったアラブの諺「犬は吠える、がキャラバンは進む」から来ているのだそうです。解説で青山南さんも書いてたけど、確かに犬は吠えるもの。それでもカポーティは、進み続けていたということなのでしょうね。(ハヤカワepi文庫)


+既読のトルーマン・カポーティ作品の感想+
「カメレオンのための音楽」トルーマン・カポーティ
「ローカル・カラー/観察記録」「詩神の声聞こゆ」トルーマン・カポーティ

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