「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン

Catégories: / /

  [amazon] [amazon]
「トールキン神話の世界」を読んでいたら、無性にこれが読みたくなりました。再読です。「指輪物語」は中つ国の第3紀の物語でしたが、これはそこからさらに遡る1紀・2紀の物語。唯一神エル(イルーヴァタアル)が聖なる者たち(アイヌア)を創造し、アルダと呼ばれる世界を創り出したという神話。アルダに下ったアイヌアたちが世界を形作り、悪との戦いがあり、エルフ、人間、そしてドワーフの誕生... 「指輪物語」は大好きなんですが、神話好きの私にとっては、実はこちらの方がツボなんです。この「シルマリルの物語」という裏づけがあるからこそ、「指輪物語」が好きというか。

唯一神エルによる世界の創造は、まるで聖書の創世記のようだし、悪の存在・メルコオルは、まるで堕天使ルシファーのよう。でも、やっぱりトールキンならではの世界。世界の創造からの歴史を読むのはやっぱり感慨深いものがあります。「指輪物語」では詳しく語られていなかったことも、様々な出来事の背景もここで語られているので、これによって世界を俯瞰し、その歴史を深く理解できるようになります。トールキンが、「指輪物語」と一緒にこちらも出版したかったという気持ちが良く分かる! 長い長い歴史の中には本当に様々な出来事があって、「指輪物語」はその歴史のほんの一部分に過ぎなかったんですよねえ。そして、若かりし日のエルフたちの姿は、人間よりも遙かに知恵のある存在として作られたはずなのに、むしろ人間のように未熟な存在で、時には視野が狭く愚か。時にはエルフ同士の争いも...。このエルフたちの姿を見てしまうと、「指輪物語」での彼らの姿勢やその叡智に哀しみすら感じてしまいます。

上巻は初めて見る名前ばかりで、しかもものすごく沢山の固有名詞が登場するので、初めて読む時は苦労するかも。でも「指輪物語」の中で歌物語として語られていたエピソードも多いですしね。それに下巻に入ると、「指輪物語」に直接繋がってくる時代の物語だけあって、お馴染みの名前が多数登場します。同じことでも違う視点から描かれていて、指輪物語を多角的に理解できて楽しいです。

私が読んだのは、上の画像の2冊なんですが、今は「新版シルマリルの物語」として1冊になっているようですね。トールキンの手紙も収録されてるなんていいなあ。なんだか欲しくなってしまうじゃないですか。あと、3年ほど前に「終わらざりし物語」が出版されてるんですけど、トールキンの遺稿を無理矢理まとめたような印象があって、あまり手に取る気がしなかったんですよね。でもやっぱり読みたくなってきました。あ、それよりも、その前に「指輪物語」を再読しようかしら。一度読み始めると、どうも突き詰めていきたくなっちゃいます。(評論社)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

+既読の指輪物語関連作品の感想+
「トールキン神話の世界」赤井敏夫
「トールキンによる『指輪物語』の図像世界」W.G.ハモンド/C.スカル
「トールキン指輪物語事典」デヴィッド・デイ
「図説 トールキンの指輪物語世界 神話からファンタジーへ」デイヴィッド・デイ

| | commentaire(6) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

Commentaires(6)

シルマリルは是非一度読んでみたい本なのですが、未だに入手していません。指輪物語好きとしては必須アイテムだと思うのですが、なかなか踏ん切りがつかずにいました。

これを機に新版を購入しちゃおうかな…。

あっこさん、もし良かったらお貸ししますよ~?
でも、どうせなら新版の方がいいかな? 私も欲しいぐらいですし。(笑)
途中で頭が混乱しやすいので、本当はメモを取りながら読むこと推奨なのですが(笑)
実際には、巻末に索引だの家系図だのがついてるので大丈夫です。
ぜひぜひ♪

おー、トールキン続いてますね。
私はこれ新版で持ってるんですが、
表紙が真っ白だから小汚い手で触れないーと
なかなか読めずにいます(笑)
「終わらざりし物語」はyuriさんの「銀の犬」繋がりもあって、
読んでおきたいところなんですが、
上下巻だとお値段もなかなかで・・・(^_^;)

なんで今?って感じですよね。(笑)
でも、最近神話伝承関係を読んでたせいもあって、すっかりハマってしまいましたよー。
あ、そうか、真っ白な表紙は気を使いますね。読む時とか場所を限定されちゃいそう。

そうそう、「銀の犬」繋がりもあるから、私たちには必読ですよね。
「終わらざりし物語」も読みたくて、図書館に行くたびに書架に本が残ってるのを確認してるんですよ。(笑)
買ってしまうと積みそうで怖いので、まずは借りてみようかと~。(笑)
ただ、その前に「指輪物語」を再読するかどうか、ちょっと迷い中です。

>もし良かったらお貸ししますよ~?
ありがとうございます~。でも、貸してくれなくても大丈夫になっちゃいました(笑)。

トールキン祭りに釣られて、ついに臨界点を越えました。1冊も3冊も同じなので(爆)「終わらざりし物語」もいっとけです。思ったらネットでなんでも買えちゃう時代って便利なんだか不便なんだか分かりませんねぇ…(笑)

もちろん指輪映画3本セットも再見ですよね?

>あっこさん
わー、買っちゃいましたか! 1冊も3冊も同じだなんて、太っ腹ですね。やるなあ。(笑)
そうそう、ネットで何でも買えるのって、便利なようで… なんですよね。
でもやっぱり便利ですよ。こんな3冊買ったら、持って帰るのも重いですもん。(笑)
あっこさんの感想、楽しみにしてます~。

いやー、いつの間にトールキン祭りになっちゃったんでしょうね。
もちろん映画もまた観ますよ! 指輪物語を再読したら、すぐにでも。(結局再読することに…)
そして「終わらざりし物語」で仕上げです(^^)。

あ、ついでだから、アーサー王の本もいっときます。それでトールキンはコンプリートです。(笑)

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.