「ボトルネック」米澤穂信

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2年前に東尋坊の崖から落ちて死んだ恋人に、ようやく花を手向けに来ることが出来た嵯峨野リョウ。その時リョウの携帯電話に入ったのは、兄が死んだから早く金沢の自宅に戻れという知らせでした。リョウは持っていた花を崖下に投げ込みます。しかしその時、風の乗ったかすれ声が聞こえるのです。リョウは強い眩暈を感じ、岩場で大きくバランスを崩してしまいます。そして次に気付いた時、リョウは金沢市内の見慣れた浅野川のほとりのベンチに横になっていました。訳も分からないまま家に戻るリョウ。しかしそこには見知らぬ女が。それは嵯峨野サキ。リョウはなぜか、自分が生まれていない世界に飛び込んでしまっていたのです。

パラレルワールドストーリー。生まれてなかったはずの姉がいたり、家族関係もちょっと違っていたり、潰れたはずのうどん屋が開いているし、大きな銀杏の木はなく、死んだはずの人間が元気に生きている世界。でも、これまで何度かパラレルワールド物は読んだけど、これほど痛いのは初めてでした。自分の世界とサキの世界の違いというのが、全て自分たちのとった行動の違いの結果だったんですもん...。「あそこでこうしていれば...」と人間誰しも思ったことがあると思いますが、「間違い探し」の中で否応なく突きつけられるのは、自分の取った行動とその結果。いやもう、ほんとものすごく痛いです。でも痛いながらも、とても面白かった! 米澤さんの作品は、最後の最後まで気が抜けないですね。(新潮社)


+既読の米澤穂信作品の感想+
「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信
「犬はどこだ」米澤穂信
「クドリャフカの順番 『十文字』事件」米澤穂信
「夏期限定トロピカルパフェ事件」米澤穂信
「ボトルネック」米澤穂信
「遠まわりする雛」米澤穂信
「インシテミル」米澤穂信
Livreに「氷菓」「愚者のエンドロール」「さよなら妖精」の感想があります)

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Commentaires(6)

四季さん、こんにちは^^
『ボトルネック』面白かったですよね!
一度読み終わったあとで
最後らへんをまた読み返ししちゃいましたもん。
とても救いようのない痛い話でしたけど
私もこの作品はすごく気に入りました。
米澤さんってホントすごいというか
今後も絶対に目が離せない作家さんですよね!

わーい、かなめさん、こんにちは。
前に、かなめさんが「個人的にはすごく好き」と仰ってたでしょう?
これはちょっと含みがありそうだなあと思ってたんですが、
読んでみて、その言葉にも納得!
で、私もものすごく気に入ったので、報告に行こうと思っていたのです~。
ほんと面白かったですね。こんなに痛すぎるほど痛いのに。
米澤さん、ほんとすごいですよ。タダモノじゃないですね。
って、今までも知ってたけど(笑)、認識を新たにしました。
最近ちょっとミステリ離れしてる私ですが、米澤さんはまだまだ追いかけていきます~。

こんにちは~。

<小市民><古典部>とは、まったく毛色の違う作品でしたね。
エンディングが、好き嫌いでいうと、好きじゃないかなぁ。
今の時代に、この終わり方は、どーなの?みたいな。
ま、この作品の影響力がそこまででかくはないのかも知らんけど。

作り手からすると、この終わり方がベストなのかもしれないです。

ど~じ~さん、こんにちは。
ものすごい勢いで米澤作品を読み進めてますね。
もうそろそろコンプリートですか?

ほんと毛色が違っていて、これは好き嫌いが分かれそうですね。
でも私は、これはこれで良かったんじゃないかなーと思ってます。
うん、確かに作り手としてはこれがベストかもしれないですね。

どもども(^^ゞ

米澤作品は、割と早く順番が回ってくるようです。
あと1冊(さよなら妖精)でコンプリートかな。
既に、図書館から連絡は来ているので、週末に借りてくる予定です。

さくさくと回ってきて良かったですね。
米澤さんは人気沸騰中だけど、やっぱり読者はミステリ読みさんが中心だからかな。
今が狙い目?!
「さよなら妖精」の感想も楽しみにしてますね。^^
(私の感想はブログには残ってないみたいです…)

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